セトリュウグウウミウシ Nembrotha lorosae Pola, Paz-Sedano, Guisado Martín, Warren, Noble & Martín-Hervás, 2026

セトリュウグウウミウシ Nembrotha lorosae

Location
日本>和歌山>南紀串本>浅地
Date
2018/04/21
Size
50mm
Depth
32.0m
Water temperature
20.0℃

特徴

体長60 mmに達する。体表は滑らかで、明瞭な縦線が走る。主縦線は頭部前縁から触角の下を通って左右に走り、鰓の後方で合流して正中線となり尾端近くまで達する。触角の高さから始まる2本の平行な副線が両側に走る。触角は長い円錐形で、30〜35枚の褶葉を持ち、発達した触角鞘に完全に格納できる。口触手は長方形。鰓は体の中央背面に位置し、3本の非格納式多羽状鰓葉が半円形に配置される。

色彩

体地色はクリーム色で、触角鞘と眼点の間、鰓の前後縁、腹足端にかけて黄色味を帯びる。縦線は暗褐色。口触手、頭部前端、触角鞘、鰓軸と基部、体の後方、腹足縁、生殖孔は暗い青紫色。触角鞘には強い青紫色の環がある。触角褶葉と鰓葉は深い赤橙色。背面には眼点から体後方にかけて蛍光にも見える鮮やかなオレンジ色の帯が広がり、鰓で中断された後に再び現れる。

分布

西太平洋〜インド太平洋。模式産地は東ティモール、マウバラ。従来 Nembrotha purpureolineata や N. aurea と誤同定されていた記録の多くが本種に該当する。インドネシア、マレーシア、日本、オーストラリアに分布する。

種小名の由来

種小名 lorosae は東ティモールのテトゥン語名「ティモール・ロロサエ(Timor Lorosae)」に由来する。テトゥン語で loro は「太陽」、sa'e は「昇る」を意味し、「日の出の地=東」を表す。本種が採集された東ティモールに敬意を込めて命名された。

補足

フジタウミウシ科(Polyceridae)クロスジリュウグウウミウシ亜科(Nembrothinae)に属する。Nembrotha 属の11番目の有効種として記載された。本種は長年にわたり N. purpureolineata(オーストラリア産)、N. aurea(西インド洋産)、N. megalocera(紅海産)と混同されてきたが、分子系統解析と形態比較により独立種であることが確認された。和名セトリュウグウウミウシは紀伊の瀬戸臨海実験所に因む。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Nembrotha lorosae の解説・写真が掲載されています。

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