ヒュプセロドーリス・オプスクラ Hypselodoris obscura (W. Stimpson, 1855)
- Location
- オーストラリア>クイーンズランド>サンシャインコースト>La Balsa Park
- Date
- 2017/09/09
- Size
- 70mm
- Depth
- 5.0m
- Water temperature
- 20.0℃
特徴
体長は最大で 50 mm 前後に達する細長いイロウミウシ類。体地色は半透明白色を基調に、背面に多数の小さな黄色〜橙色斑が密に散らばる。背面の地色には個体差があり、淡青色〜灰青色を帯びる個体や、より暗い灰色〜茶褐色を呈する個体もある (種小名 obscura = "暗い、不明瞭な" の由来)。外套膜の縁には目立った色帯はなく、外套縁の色は地色とほぼ同じ。触角は明るい橙色〜赤橙色で、葉状の薄板が並ぶ。鰓は半透明白色〜淡橙色で 8〜10 葉、各葉の軸に橙色の細線が走る。触角・鰓ともに退縮させると外套膜の鞘の中に完全に収まる。
分布
インド-西太平洋に広く分布。日本沿岸 (本州中部以南)、東シナ海、南シナ海、フィリピン、インドネシア、オーストラリア北部・東部、紅海まで記録される。本種はもともと Stimpson の北太平洋探検 (1853-1856) で得られた標本に基づき記載され、模式産地は西太平洋域。サンゴ礁・岩礁の浅所〜中深度に棲息する。種小名の由来
種小名 obscura はラテン語 obscurus (暗い、不明瞭な) の女性形で、種記載当時に観察された個体の地色がやや暗灰色を呈していたことに由来する。補足
原記載は Stimpson 1855 により Goniodoris obscura として行われた。同論文において Stimpson は本種を含めて新属 Hypselodoris Stimpson, 1855 を提唱し、本種が単一指定によりタイプ種となった。属位移動に伴い現在は Hypselodoris obscura として扱われる (現組合せの author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。外見的に類似する Hypselodoris infucata (Rüppell & Leuckart, 1831) と長く混同されてきた。Wilson & Lee 2005 ら以降の分子系統解析および種境界研究では、両者を含む H. infucata-obscura-saintvincentius 種群として扱い、地理的・遺伝的に別系統であることが示されている。本種は地中海・紅海に分布する H. infucata とは分布が分離しており、概して西太平洋に固有とされる。海綿食性で、Dysidea 属の海綿を主な餌とする。
References
- Hypselodoris obscura — type species, Stimpson W. (1855). Descriptions of some new marine Invertebrata. Proceedings of the Academy of Natural Sciences of Philadelphia. 7(10): 385-394.
- Hypselodoris obscura (Stimpson, 1855), Gosliner T.M. & Johnson R.F. (1999). Phylogeny of Hypselodoris (Nudibranchia: Chromodorididae) with a review of the monophyletic clade of Indo-Pacific species, including descriptions of twelve new species. Zoological Journal of the Linnean Society. 125: 1-114. https://doi.org/10.1111/j.1096-3642.1999.tb00585.x
- Hypselodoris obscura, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
季節性
撮影地
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