ウデフリツノザヤウミウシ Thecacera pacifica (Bergh, 1884)

ウデフリツノザヤウミウシ Thecacera pacifica

Location
日本>沖縄>宮古島>中の島チャネル
Date
2018/04/26
Size
12mm
Depth
10.0m
Water temperature
24.0℃

特徴

体地色は黄色から山吹色で、表面は半透明のオレンジ色を呈する。二次鰓の左右に大型の指状突起 があり、突起と尾の先端は黒色から空色のグラデーションで彩られる。触角には触角鞘 があり、後方にかけて空色になる。触角の先端と二次鰓の軸外側は黒色。最大体長は 50 mm。

分布

模式産地はアラフラ海。日本の温帯〜亜熱帯沿岸で普通に観察される。インド-西太平洋の他地域からも記録があるが、海外では稀な種で、これまでの「T. pacifica」記録には酷似した T. pikachu との混同が含まれていた可能性が指摘される。メキシコ湾やカリブ海など西大西洋の記録についても、別種の可能性が議論されている。

種小名の由来

種小名 pacifica はラテン語で「太平洋の」を意味する形容詞で、模式産地のアラフラ海を含む太平洋海域に由来する。

補足

シノニム: Thecacera inhacae

黄色い体に黒い突起の組み合わせがアニメ「ポケットモンスター」のピカチュウを彷彿させることから、日本のダイバーの間では「ピカチュウウミウシ」の愛称で親しまれてきた。和名「ウデフリツノザヤウミウシ」は突起を腕のように振る姿と角鞘 (触角鞘) の形状に由来する。

これまで日本で和名「カンナツノザヤウミウシ」として知られていた未記載種は、近年、新種 Thecacera pikachu として正式記載された (模式産地: 東ティモール)。海外のダイバーが「Pikachu」と呼んできたのはこの T. pikachu の方で、本種 T. pacifica (= ウデフリツノザヤウミウシ) を「ピカチュウ」と呼んできた日本の愛称とは別の種を指していた。T. pacifica は日本では普通に観察されるが海外では稀な種で、海外で「Pikachu」として撮影される個体のほぼ全ては T. pikachu である。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Thecacera pacifica の解説・写真が掲載されています。

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