キイッポンウミウシ Mexichromis trilineata (A. Adams & Reeve, 1850)
特徴
体長は最大 12 mm 前後の小型のイロウミウシ類。体地色は薄紫色〜紫色を基調とし、外套膜の最外周は白色の細線で縁取られる (この縁取りが黄色の個体型もある)。背面には白色で縁取られた黄色の縦線が 3 本走るのが種小名 trilineata の由来となる特徴。中央の縦線は二次鰓を取り囲むように後背中央で輪を描き、左右の縦線は外套膜の縁近くを縦走する。地域によっては縦線が 1 本のみ (中央線のみ) の個体型も観察される。
触角と二次鰓は橙黄色で対照的。鰓は単羽状で 6〜8 葉。
分布
西太平洋に分布。オーストラリア、インドネシア、パプアニューギニア、パラオ、フィリピン、日本沿岸 (本州中部以南) から記録される。サンゴ礁・岩礁の浅所〜中深度に出現する。種小名の由来
種小名 trilineata はラテン語 tri- (3 つの) + lineatus (線のある) の合成で、「3 本線の」を意味する。背面の 3 本の黄色縦線にちなむ命名。和名の由来
日本 (南西諸島) で観察される個体は背面の黄色縦線が中央 1 本のみの色彩型のため、「黄一本」の意で和名が付けられた。種小名 trilineata「3 本線の」と一見矛盾するが、本種は地域によって縦線 1 本のみの色彩型と 3 本揃った色彩型を持ち、後者は日本では見られない。経緯は キイッポンウミウシがキサンボンな件 を参照。補足
原記載は A. Adams & Reeve 1850 の H.M.S. Samarang 探検報告で Doris trilineata として記載された。現行の分類では Bertsch 1977 による Chromodoridinae の上位分類学的整理を経て Mexichromis Bertsch, 1977 へ組み替えられている。海綿食性。References
- Mexichromis trilineata (A. Adams & Reeve, 1850), Bertsch H. (1977). The Chromodoridinae nudibranchs from the Pacific coast of America. Part I. Investigative methods and supraspecific taxonomy. The Veliger. 20(2): 107-118.
- キイッポンウミウシ(仮称), 小野篤司. (1999). ウミウシガイドブック. TBSブリタニカ.
- キイッポンウミウシ, 小野篤司. (2000). ウミウシガイドブック. 第2版. TBSブリタニカ.
- ペクテノドリス・トリリネアタ, 殿塚孝昌. (2003). ウミウシガイドブック〈3〉. TBSブリタニカ.
- Pectenodoris trilineata, 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- Mexichromis trilineata, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
季節性
撮影地
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