アミメウロコウミウシ Cyerce katiae K. Moreno, Gosliner, N. G. Wilson, Krug & Á. Valdés, 2025
特徴
体地色は淡い灰色からクリーム色で、背面全体に暗灰色の線が走り多角形の網目模様を形作る。頭部は淡灰色で網目状の細かな筋が走り、基部近くに 2 つの金色斑、額にも小さな金色の点が散る。触角は長く先が二又に分かれ、半透明の淡灰色地に微小な白点をまとう。口触手は触角と同じ色彩を呈し腹側に位置する。背側突起は葉状でやや膨らみ、半透明の淡灰色地に暗灰色の網目が多角形を形作る。各多角形の中央には小さな銀白色の隆起が並び、突起の縁付近にも集まる。表面には小さな金色から濃い黄色の斑が不規則に散る。背側突起は後方ほど大きくなり、最前列は灰色の線を欠く。突起の縁は灰色で金色斑が並び、縁の下には防御腺と思われる構造を備える。模式標本の体長は約 12 mm。分布
西太平洋。模式産地はフィリピン・ロンブロン州。種小名の由来
最初に本種を見つけ、Terry Gosliner に紹介したダイバー Kati Eschweiler への献名。補足
2025 年の Cyerce 属再検討で新種記載された種。それ以前は Cyerce sp. 4 として図示されていた個体群が本種にあたる。系統解析では Cyerce nigricans と Cyerce takanoi を含むクレードに姉妹群として位置する。背側突起の縁取りや地色で同所的な近縁種と区別されるが、体表全体に多角形を作る灰色の網目を持つのは本種だけ。食性は未解明。References
- アミメウロコウミウシ(新称), 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- Cyerce sp. 5, Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2015). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific. New World Pubns Inc.
- アミメウロコウミウシ, 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
- Cyerce katiae sp. nov., Moreno K., Medrano S., Gosliner T.M., Wilson N.G., Krug P.J. & Valdés Á. (2025). Phylogenetic systematics of the genus Cyerce (Mollusca: Heterobranchia: Sacoglossa: Caliphyllidae) from the Pacific and Indian oceans with descriptions of nine new species. Zoological Journal of the Linnean Society. 204(1): zlaf030. https://doi.org/10.1093/zoolinnean/zlaf030
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Cyerce katiae の解説・写真が掲載されています。
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