ロスタンガ・アルブトゥス Rostanga arbutus (Angas, 1864)

ロスタンガ・アルブトゥス Rostanga arbutus

Location
オーストラリア>ニューサウスウェールズ>ネルソン湾>フライポイント
Date
2022/12/05
Size
14mm
Depth
8.0m
Water temperature
19.0℃

特徴

体長は最大で 25 mm 前後の小型〜中型のドーリス類で、体は卵形〜楕円形でややドーム状に膨らむ。背面外套膜は橙赤色を地として、表面全体に微細な硬棘 (caryophyllidia) が密生する。caryophyllidia は無色透明〜淡黄色で、外套膜全体を細かい砂粒状に覆う。地色の橙赤の上には茶色〜黒褐色の細点や斑が散らばる。触角の間には白色の色素が現れる個体があり、外套膜の周縁付近には大型の白色腺 (粘液腺) が submarginal な列をつくり、各腺の周囲に白色の小点が並ぶ。

触角は赤色を帯びた橙色で、葉状の薄板が並ぶ。鰓は橙色の単羽状鰓を 8〜10 枚もち、後背中央に円環状に並ぶ。

分布

模式産地はオーストラリア・ニューサウスウェールズ州ポートジャクソン (現シドニー湾)。オーストラリア南東岸 (ニューサウスウェールズ〜ヴィクトリア州、タスマニア) を中心に分布する温帯種。ニュージーランド北部や、深場まで含めると南オーストラリア州からも記録がある。

種小名の由来

種小名 arbutus はラテン語で地中海産の常緑低木イチゴノキ (Arbutus unedo) を指す。果実が橙赤色を呈することから、本種の橙赤色の体色になぞらえた命名とされる。

補足

原記載は Angas 1864 によりポートジャクソン産の標本に基づき Doris arbutus として記載された。Doris Linnaeus, 1758 は当時、現在の多くのドーリス類を含む包括的な属で、その後の分類見直しで本種は Rostanga Bergh, 1879 に組み替えられた (現組合せの author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。

Rostanga 属の他種と同様に、海綿類 (主にカイメン亜門の赤色〜橙色の Clathria 等) を専食する。卵塊もしばしば寄主海綿の上または近くに直接産み付けられ、本種の場合は浮遊期を経ない直達発生 (direct development) が確認されている (Forrest, 1986)。Garovoy et al. 2001 は Rostanga 属の系統解析で本種の位置づけを検討し、近縁種との形態比較を行った。
References
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観察地: ×

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