ボーランドウミウシ Hypselodoris bollandi Gosliner & R. F. Johnson, 1999
特徴
体長 37〜43 mm に達する中型のアオウミウシ属。生体の地色は不透明な白色。外套膜の張り出した縁の左右にはそれぞれ 4〜7 個の暗青色の凹みがあり、頭部前縁にもさらに 3 個の青色突出葉がある。背面の大部分は黄色の細点で覆われ、その多くはわずかに隆起した結節の先端に位置する。これらの黄点は体中央域でとくに密で、頭部・外套膜縁・尾部にも分布する。背中央には赤褐色の網目状色素が広がり、外套膜縁は暗青色で縁取られる。背の模様はそのまま腹足背面まで続く。鰓葉は 8〜9 葉で単羽状の三角形、白色で軸先端と中軸線が暗橙赤色。触角は約 28 個の褶葉をもち、暗橙赤色。触角の直後には半透明の明色域があり、眼が透けて見える。分布
模式産地はフィリピン・ルソン島バランガス湾の Bus stop。原記載時はフィリピンのバランガス湾と琉球列島の沖縄から記録されていた。水深 10〜30 m。種小名の由来
種小名 bollandi は本種の最初の採集者である Robert F. Bolland 博士への献名。Bolland 氏の琉球列島における精力的な収集はインド太平洋産後鰓類の理解に大きく貢献している。補足
外見は Risbecia pulchella や Risbecia imperialis と非常によく似るが、これら 2 種の触角は白点をもつ濃青色で中央線も白色なのに対し、本種では橙赤色で異なる。鰓上の模様も Risbecia 属では青線だが本種では橙赤線、鰓葉は本種では円形を一周のみ描き、Risbecia 属のような二重の渦巻きにはならない。Risbecia 属の鰓は絶えず動くが、本種では静止する。系統的には Baba 1949 の Hypselodoris sagamiensis が姉妹種で、後者は黒点をもつ点で本種と外見的に区別される。References
- Hypselodoris bollandi sp. nov, Gosliner T.M. & Johnson R.F. (1999). Phylogeny of Hypselodoris (Nudibranchia: Chromodorididae) with a review of the monophyletic clade of Indo-Pacific species, including descriptions of twelve new species. Zoological Journal of the Linnean Society. 125: 1-114. https://doi.org/10.1111/j.1096-3642.1999.tb00585.x
- ボーランドウミウシ, 益田一. (1999). 海洋生物ガイドブック. 第2刷. 東海大学出版会.
- ボーランディ, 小野篤司. (1999). ウミウシガイドブック. TBSブリタニカ.
- ボーランドウミウシ, 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- Hypselodoris bollandi, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
季節性
撮影地
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