ヒュプセロドーリス・ゼブリナ Hypselodoris zebrina (Alder & Hancock, 1864)
特徴
体長約 7 分の 1 インチ (= 約 7/10 インチ、約 1.8 cm) のイロウミウシ類。原記載個体は小型で、Alder & Hancock 自身が「diminutive size から、おそらく幼体である可能性が高い」と注記している。体は細長く、前方は丸く、後方へ尖って終わる。地色は白色で、赤色と黄色の斑紋を呈する。外套膜は広く丸まり、頭部前方へかなり伸び、両側ではほぼ平行で後方は狭くなって丸まる。色彩は白色で、背面中央には深紅色の波打つ縦線が走り、両側および両端には不揃いの長さの同色の横線が並ぶ。中央線の両側にはやや大きい黄色の斑が並び、縁の横線の間にも黄色斑が散在する。深紅色の縦線は外套膜から尾部の背側隆条に沿っても伸びる。触角は長めの棍棒状で、褶葉部は深紅色、孔の縁はわずかに隆起する。口触手は無く、頭部は前方で丸く側方は不明瞭に角張る。鰓葉は 9 葉で小型・単羽状・深紅色、ほぼ完全な杯状を成す。後方 2 葉は他より小さい。足は大型で前方は広く截形、後方は鈍く尖って伸びる。原記載では 1 個体のみが保存され、それも幼体と推定された。分布
模式産地はインド南東部・マドラス州 Waltair (Vizagapatam 北方、現 Andhra Pradesh 州 Visakhapatnam) の Coromandel 海岸。Walter Elliot により 1853〜1854 年に採集された幼体と推定される 1 個体に基づく。原記載後約 150 年にわたり再発見の報告が無かったが、2002 年頃に再観察されて以降、インド洋〜西太平洋から散発的に記録されるようになった。非常に稀な種。種小名の由来
種小名 zebrina はラテン語化した形容詞で「シマウマのような」の意。体表の白地に走る深紅色の縦線と横線が並ぶ縞模様に由来する。補足
原記載において Alder & Hancock は新属 Chromodoris Alder & Hancock, 1855 に置いた。本種は後に Hypselodoris Stimpson, 1855 に移された (author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。記載後約 150 年再発見が無かったため永く分類学的位置が不確かなままであったが、近年の再発見により現在は valid 種として広く受け入れられている。References
- Chromodoris zebrina n. sp., Alder J. & Hancock A. (1864). Notice of a collection of nudibranchiate Mollusca made in India by Walter Elliot Esq., with descriptions of several new genera and species. Transactions of the Zoological Society of London. 5(3): 113-147.
- Hypselodoris zebrina, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
- Hypselodoris zebrina, Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.
本書に掲載されています
Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.
New World Publications
本書には Hypselodoris zebrina の解説・写真が掲載されています。
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