ツクモミノウミウシ Tenellia beta (Baba & Abe, 1964)
特徴
体地色は淡い紫赤色で、頭部や触角の周辺はより濃い赤紫色を帯びる。背側突起は短い紡錘形で、先端寄りに濃い紫赤色の帯が入り、内部に透ける肝臓由来の枝(消化腺)はオレンジ黄色を呈する。背側突起は片側 7 列ほどの斜列に並び、最も多い列で 3 個程度。触角と口触手はいずれも短く、触角は平滑で枝分かれしない。体長は成熟個体で約 2 mm、最大でも 6 mm 前後の小型種。分布
日本(日本海側)。模式産地は富山湾の小木(金沢大学能登臨海実験所付近)。記載時のパラタイプは富山湾の観音崎、敦賀湾の水津岡崎、佐渡島からも採集されている。種小名の由来
種小名 beta はギリシャ文字のベータ(β)に由来する。本種は歯舌が Cuthona 型(中央咬頭が突出する)であるのに対し、陰茎の先端には Catriona 型のキチン質の棘をもつという、当時の二属の特徴を半分ずつ併せ持つ「モザイク的」な種であった。原記載で Baba & Abe は本種を暫定的に Catriona に置きつつ、典型から外れた中間的な位置づけを示す記号として β を当てたとみられる。和名の由来
和名「ツクモミノウミウシ」は模式産地である能登半島・小木 (九十九湾) にちなむ。補足
ミノウミウシ類のうちフジエラミノウミウシ科に属する小型種で、原記載では当時の モンショウミノウミウシ属に置かれた。現在の分類では シロタエミノウミウシ属の一員として整理されている。記載時に同じ Cuthona + Catriona のモザイク的特徴をもつ種として北海道忍路産の Nella osyoro(記載時は Cuthona osyoro)と比較され、体地色(本種は紫赤色、osyoro は白色基調)、背側突起の縞模様、歯舌の側方小歯の数(osyoro は 4–6 と少ない)で区別された。References
季節性
撮影地
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