クラサキウミウシ Verconia varians (Pease, 1871)
- Location
- 日本>沖縄>沖縄本島(恩納村・読谷村エリア)>真栄田岬
- Date
- 2010/07/22
- Size
- 10mm
- Depth
- 10.0m
- Water temperature
- 29.0℃
特徴
体長 25 mm 程度の小型のイロウミウシ類。体は半透明で弛みやすく、長卵形で平滑、背面は凸状に丸まり、前方ではわずかに拡張し、両端は丸い。鰓は小さく体幅の半分ほどで、内向きに巻き、単純な腔に収納できる。触角は大きく亜直立で棍棒状を呈し、管状腔に収納できる。板葉は非常に傾斜してはおらず、密で深く切れ込む。口触手は小さく円錐形。足は長く、わずかに拡張し前方は丸まり、後方は尖った先端へ細まり、外套膜後方を多少超えて突出する。生時の体地色はバラ赤色を基調とし、背面中央には触角間から鰓に至る白色の縦線が走る。外套膜縁は黄色味で縁取られ、触角はバラ赤色を呈する。鰓葉の上半分は紫色を呈し、腹側の外套膜下面も紫色で背面と同色だがより淡い。足は淡紫色を呈する。本種には変異形が見られ、上面のバラ赤色が紫色に置き換わり、鰓葉が 1 葉増加して 6 葉となる。Pease の原記載は体長約 1 インチ (約 2.5 cm) の個体に基づき、フアヒネ島とマイアオ島で得られた。Pease は本種が低潮位帯のラミナリア帯で石下に活発に生息し、移動時には外套膜の前部を絶え間なくはためかせると記述した。分布
インド-西太平洋〜中部太平洋。模式産地はソシエテ諸島のフアヒネ島およびマイアオ島で、Andrew Garrett が採集した個体を Pease が記載した。後にハワイ諸島、日本列島南部、台湾、フィリピン、インドネシア、グアム、ニューカレドニアなど広く記録されている。種小名の由来
ラテン語の現在分詞 varians「変化する」「変異する」の意で、本種の体色がバラ赤色から紫色まで個体間で変異することに由来する命名。補足
原記載において Pease は Chromodoris 属に置いた。後年の分類学的整理により本種は Verconia 属に移された (author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。和名「クラサキウミウシ」は奄美大島の倉崎海岸 (採集地) に由来する。References
- Chromodoris varians Pease n. sp., Pease W.H. (1871). Descriptions of new species of Nudibranchiate Mollusca inhabiting Polynesia. No. 2. American Journal of Conchology. 7(1): 11-19, pls. III-IX.
- キベリアカイロウミウシ, 益田一. (1999). 海洋生物ガイドブック. 東海大学出版会.
- キベリアカイロウミウシ, 小野篤司. (1999). ウミウシガイドブック. TBSブリタニカ.
- キベリアカイロウミウシ, 鈴木敬宇. (2000). ウミウシガイドブック〈2〉. TBSブリタニカ.
- ノウメア・ワリアンス, 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- Verconia varians, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
- Noumea varians, Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2015). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific. New World Pubns Inc.
- クラサキウミウシ(新称), 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Verconia varians の解説・写真が掲載されています。
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