ニヨリセンテンイロウミウシ Hypselodoris maculosa (Pease, 1871)

ニヨリセンテンイロウミウシ Hypselodoris maculosa

Location
インドネシア>バリ島>トランバン>ドロップオフ
Date
2015/11/14
Size
12mm
Depth
9.0m
Water temperature
29.0℃

特徴

体長 38 mm 程度のやや小型のイロウミウシ類。体は半透明で円筒状に細長く、平滑かつ弛みやすい。外套膜は前方では拡張して丸まり、後方も丸く、両側はほぼ平行。触角は大きく直立し、太い柄部に乗り、長卵形で板葉は深く切れ込み、単純な腔に収納できる。鰓は中型で 8 葉から成り、披針形・狭羽状で、基部で連結し、単純な腔に収納できる。肛門は単純な開口を呈する。口触手は小さく指状。足は長く狭く、前方は切断状に丸まり溝があり、後方では鋭い尖った先端へ細まり外套膜を大きく超えて突出する。生時の体地色はクリーム黄色を基調とし、縁辺は淡黄褐色で縁取られる。外套膜には縦長の不規則な短い赤色細線が並び、3 本の不規則な放射状の淡黄褐色細線が外套膜の前縁から触角に向かって伸びる。背面には不透明白色の細い縦線が並び、その内 2 本は中央寄りで鰓を取り囲み、後方で背側触角の周辺を経て体後端まで通る。線の間には紫色の点列が並ぶ。触角は淡色で基部に幅広い褐色味赤色の帯と、頂端のすぐ下に細い赤色の輪をもつ。鰓葉は淡灰色で先端が赤色を呈する。足の上下面は外套膜と同様の縦線で飾られ、紫色の点が散在し、上面には基部に紫色の影と上縁に沿って縁帯が広がり、足下面はくすんだ赤色で縁取られる。Pease の原記載は体長約 1 1/2 インチ (約 3.8 cm) の個体に基づき、タヒチの低潮位帯で石下から得られた。

分布

インド-西太平洋〜中部太平洋。模式産地はソシエテ諸島のタヒチ島で、Andrew Garrett が採集した個体を Pease が記載した。後にハワイ諸島、日本列島南部、台湾、フィリピン、インドネシア、グアム、オーストラリア、紅海など広く記録されている。

種小名の由来

ラテン語の形容詞 maculosus (女性形 maculosa)「斑が多い」「斑点だらけの」の意で、本種の外套膜に並ぶ多数の赤色細線・淡黄褐色放射線・紫色点列に由来する命名。Pease の原記載に etymology の明示はない。

補足

原記載において Pease は Chromodoris 属に置いた。Pease は同論文 p.15 で Chromodoris 属の特徴として「上面の地色と外套膜は常に明るい色で線状模様あるいは斑点を伴い、変化に富む派手な色彩で身を飾る」と記している。後年の分類学的整理により本種は Hypselodoris 属に移された (author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。和名「ニヨリセンテンイロウミウシ」は近縁の Hypselodoris zephyra センテンイロウミウシ に似ることに由来する。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Hypselodoris maculosa の解説・写真が掲載されています。

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