ガストロプテロン・パシフィクム Gastropteron pacificum Bergh, 1894
特徴
体幅 12 mm 程度に達する小型のウミコチョウ類。生時の体色は黄色味を帯びた地に赤色の小斑点を散在させる (Dall の野帳記述による)。前頭楯および足の側葉には密に小さな赤色の斑点が並び、特に前頭楯の腹側および前縁先端では斑点が一層密に分布する。後体は灰色を呈し、ときに前方に分散した赤色斑をもつ。鰓は白色を帯びる。Bergh の原記載 (アルコール固定 13 個体) では、側葉の長さ 7.5 mm、足の側葉を広げた状態の体幅 12 mm、体高 5.5 mm の個体に基づき、地中海産の典型種 Gastropteron meckelii よりも全体に小型と記述された。足は側葉から明瞭に区分され、尾は中央に小さな三角形の突起をもち、その左右に切れ込みが入る。側葉は典型種より小さくやや短い。外套膜の縁は狭く、後方でわずかに広がるが鞭状の付属糸を欠き、そのため鰓は外套膜の下からほぼ露出する。鰓は典型種に比べて相対的に大きく、葉数は 16-20 枚と少なく、各葉の遊離端が長い。肛門乳頭は通常通りで、黒色の腎孔は肛門により近い。殻は螺旋状で、白亜色、放射状の条線をもち、小さな多角形の小板に容易に砕ける。分布
北太平洋。模式産地はアラスカ・アリューシャン列島のウナラスカ島近海で、Dall が 1874 年 8 月に水深 9-15 ファゾム (約 16-27 m) の岩底から採集した 13 個体に基づく。北太平洋の冷水域に分布する。種小名の由来
ラテン語 pacificus (中性形 pacificum)「太平洋の」を意味する形容詞で、模式産地が北太平洋であることに由来する。補足
原記載では Bergh が Gastropteron 属に置き、地中海産の Gastropteron meckelii (Blainville) を比較対象として扱った。本種は Bergh の Mal. Unters. Heft XVIII 1893 で予報的に言及された後、1894 年にアリューシャン産個体に基づき正式に記載された。属 Gastropteron はウミコチョウ科の代表属で、外套膜と二対の側葉を波打たせて遊泳することで知られる。References
季節性
撮影地
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