ハルゲルダ・バタンガス Halgerda batangas Carlson & Hoff, 2000
特徴
体地色は半透明の象牙白色。背面は不規則に隆起する稜と、稜のあいだを走るきめ細かな橙色の網目模様で彩られる。背面には大小さまざまな円錐状の突起が散在し、突起の先端は橙赤色で、その付け根を白色の輪が囲む。外套膜の縁には橙色の網目を欠く白い帯が走る。触角と二次鰓は半透明の白色で、軸や葉に黒褐色の細点が入る。最大体長は約 40mm。分布
模式産地はフィリピン・セブ島マクタン島。副模式標本はバタンガス州アニラオから得られている。フィリピン、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島、マーシャル諸島、ニューカレドニア、フィジー、オーストラリアのグレートバリアリーフなど熱帯西太平洋に広く分布する。Donohoo et al. 2023 の分子データにより沖縄、ミクロネシア連邦からも確認された。種小名の由来
種小名 batangas は、副模式標本の採集地であるフィリピン・バタンガス州に由来する。補足
Halgerda carlsoni 種複合群に属し、長らくコンペイトウウミウシ (Halgerda carlsoni) と混同されてきた。Donohoo et al. 2023 の分子系統解析により独立種として支持されている。橙色の細線が稜と稜のあいだに連続した網目を成す点で、橙色の斑紋が線状ではなく細点状に散らばるコンペイトウウミウシと外見的に区別できる。コンペイトウウミウシが最大体長約 70mm に達するのに対し、本種は約 40mm までと小型。海綿食で、水深 2〜20m の浅い礁域で観察されることが多い。References
- Halgerda batangas n. sp., Carlson C.H. & Hoff P.J. (2000). Three new Pacific species of Halgerda (Opisthobranchia: Nudibranchia: Doridoidea). The Veliger. 43(2): 154-163.
- Halgerda batangas, Donohoo S.A., Villalobos S.G., Hallas J.M. & Gosliner T.M. (2023). Hyperdiversity of the genus Halgerda Bergh, 1880 (Nudibranchia: Discodorididae) with descriptions of fourteen new species. Marine Biodiversity. 53(3): 42. https://doi.org/10.1007/s12526-022-01334-9