ハルゲルダ・インドテッセラータ Halgerda indotessellata Tibiriçá, Pola & Cervera, 2018

ハルゲルダ・インドテッセラータ Halgerda indotessellata

Location
セーシェル
Date
Size
15mm
Depth
14.0m
Water temperature
26.0℃

特徴

姉妹種であるモザイクウミウシ Halgerda tessellata とよく似た外見を持つ中型のハルゲルダ属で、体は半固体的でゼラチン質。背面には黄色い網目状の鋭い隆起が走り、隆起の交点はやや角張って盛り上がる。隆起と外套膜の周縁は鮮やかな黄色で、隆起の間の地色は茶褐色を帯び、その上に白色の細点が散在する。背正中線上には頭部から鰓孔を通って尾の方へ向かって黒褐色の縦線が一筋走る。触角二次鰓は地色が白く、それぞれに黒褐色の縞や斑が入り、本属に共通する低く平滑触角鞘・鰓鞘を持ち、外套背面にカリオフィリディアは見られない。
太平洋産の H. tessellata とは外見が極めてよく似ており、生体写真だけでの区別はほぼ不可能とされる。両種はCOI遺伝子で明確に分かれ、生殖器系の細部にも違いが認められる。

分布

模式産地はモザンビーク・パインダーネ(水深20〜25m)。インド洋を中心に、モザンビーク、タンザニア(ザンジバル)、ケニア(ディアニ)、マイヨット島、南アフリカなどから知られる。Donohoo らの分子系統解析 2023ではフィリピン(マリカバン島・ベルデ島)の個体もCOIで本種に同定されており、西部太平洋にも分布が及ぶことが示されている。かつてインド洋から Halgerda tessellata として記録されていた多くの個体は本種に該当すると考えられる。

種小名の由来

種小名 indotessellata は「インド洋の」を意味する接頭辞 indo- と既知種 Halgerda tessellata の組み合わせで、長らく H. tessellata と同種とみなされてきた本種が、インド洋を主分布域とする独立種であることを示す。

補足

Tibiriçá, Pola & Cervera によるモザンビーク産ハルゲルダ属の系統分類学的研究 (Invertebrate Systematics 32, 2018) において、6新種のひとつとして記載された。H. tessellata に対するいわゆる隠蔽種に近い扱いで、外見だけでは判別が困難ながら、遺伝的・地理的にはインド洋〜西太平洋の系統として太平洋本流の H. tessellata から分離される。Donohoo らの分子系統解析 2023では、H. tessellataHalgerda mozambiquensisHalgerda maaikeae とともに一つのよく支持されたクレードを形成し、本種はその西インド洋〜西太平洋側を担う系統として位置づけられている。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Halgerda indotessellata の解説・写真が掲載されています。

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