ニシキウミウシ Ceratosoma trilobatum (J. E. Gray, 1850)

ニシキウミウシ Ceratosoma trilobatum

Location
日本>静岡>雲見>三競
Date
2016/09/02
Size
40mm
Depth
10.0m
Water temperature
24.0℃

特徴

体は固く硬質で、外套後縁に位置する鰓のすぐ後方の体高がもっとも高い。外套膜は体の前半部のみを覆い、後半は大きく張り出した足の背面となる。外套膜の縁は頭部の周りでは硬い棚状の縁を形成し、触角の後方ではいったん細い隆起となって体側を後方へ走り、鰓の手前で大きな翼状の側葉として張り出す。鰓のすぐ後方では外套後端が長く湾曲した角状突起 (ホーン) となって背面正中線に立ち上がる。鰓は最大で 20 本ほどが弧状に並び、各鰓は長く先端近くで僅かに分枝する。触角の柄は短く、襞 (クラブ) は長く先端は丸い瘤状。
体地色は変異が大きい。北部オーストラリア東岸の個体はクリーム色地に橙褐色の斑紋がぼやけて散り、橙色の小斑と紫色の縁取りをもつ。アラフラ海・カーペンタリア湾東部の個体も類似だが紫色の縁取りが破線状になる。ダーウィン〜コバーグ半島周辺の個体群は色彩が大きく異なり、橙色斑がなく地色がピンク・黄・橙・茶〜濃赤褐色まで多様で、外套膜の縁に明瞭な白色帯と紫色の連続線をもつことが多い。タンザニア産はクリーム地に紫褐色のしみと橙色斑が密に散る型と、ほぼ均一な赤褐色型がある。ニューカレドニア産はクリーム地が橙褐色のしみで覆われ、明るい橙色斑が重なる。生体長 130 mm を超える大型種。

分布

模式産地はインド。原記載時以降、タンザニアおよびダル・エス・サラーム周辺、セーシェル、インドネシア、フィリピン、熱帯オーストラリア (クイーンズランド、北部準州、西オーストラリア)、ニューカレドニアから記録されてきたインド西太平洋に広く分布する種。

種小名の由来

種小名 trilobatum はラテン語で「三裂の」を意味し、外套膜の縁が頭部周辺・体側翼状葉・後方ホーンの三つの大きなまとまりに分かれて見えることに由来する。

補足

本種は外套膜の縁が頭部周辺から鰓前方の側葉まで一続きの隆起として連結し、背面正中線後方のホーンが強く発達する点で、近縁の Ceratosoma tenueCeratosoma gracillimum と外見的に区別される。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Ceratosoma trilobatum の解説・写真が掲載されています。

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