ケラトソマ・アモエヌム Ceratosoma amoenum (Cheeseman, 1886)

ケラトソマ・アモエヌム Ceratosoma amoenum

Location
オーストラリア>ニューサウスウェールズ>Bare Island East
Date
2026/04/29
Size
15mm
Depth
15.0m
Water temperature
20.0℃

特徴

体は他のニシキウミウシ属の種に比べて低く前後に細長く、属内では原始的な体型を保つグループに位置づけられる。外套膜の縁は体全体を取り巻き、複数の側葉を形成しない。背面正中線後方にはやや控えめな後方の隆起 (将来の後方ホーンの原型) があり、後方正中線にかけて外套腺が集約する傾向は Ceratosoma palliolatumCeratosoma brevicaudatum と共通する。外套膜の縁全周に小型の外套腺が点在し、後方正中線で大型の腺塊が集約する。
体色は地理的に変異が大きい。シドニー周辺・ニューサウスウェールズ北部の個体は、外套地色が淡いピンクまたは淡い紫で、各斑点が白色のリングで縁取られた大きな橙色または黄色の斑が散在し、その上に小さな紫色斑が縁下列を成す。シドニー以南・南オーストラリア・ヴィクトリア・タスマニアでは、橙色斑が小型化し多数となり、紫色斑がワインレッドの斑に置き換わって背面中央に大きな赤色のしみを伴うことが多い。西オーストラリア南西部の個体は、橙色と赤色の同サイズの斑が縁取り列を成し、内側に多数の白色リング付き橙色小斑をもつ。ニュージーランド (北島) の個体は橙色〜黄色の大型斑をもち、紫色斑をもたないかごく少数で、シドニー北部の色彩型に近い。生体長は 100 mm を超える個体も知られる。

分布

ニュージーランド (北島) と南東〜南西オーストラリア (ニューサウスウェールズ州、ヴィクトリア州、タスマニア、南オーストラリア、西オーストラリア南西部) に広く分布する。本種はオーストラリア大陸南岸を東西に横断し、西オーストラリア南西部にまで達することが Rudman 1988 によって明らかにされた。

種小名の由来

種小名 amoenum (女性形 amoena) はラテン語で「美しい・愛すべき」を意味し、目を引く色彩に因む命名と考えられる。

補足

本種は当初 Cheeseman 1886 によって Chromodoris 属に置かれたが、外套腺の後方への集約と縮小した外套膜の縁、強い鋸歯をもつ側歯と二又に分かれる顎柱が Ceratosoma 属の特徴と一致するため、Rudman 1984a は本属に再配置した。1988 年の属モノグラフでも Ceratosoma palliolatumCeratosoma brevicaudatum の知見と合わせ、本属内で原始的な位置にあることが確認されている。Bergh 1905b がニュージーランド産標本に基づき記載した Chromodoris figurata および Chromodoris atopa は、いずれも本種のシノニムとされる。
References
読み込み中...

撮影地を読み込み中...


タグ:
観察地: ×

該当 0


学術データベース

世界のウミウシの観察データは国際的な海洋生物多様性データベースで公開されています。

詳しくはこちら