メレンゲウミウシ Ardeadoris egretta Rudman, 1984
特徴
全体が純白色のシンプルで美しい大型クロモドーリス。外套膜は幅広く張り出しが大きく、縁は典型的に波状に折り曲げられる。外套膜縁のすぐ内側には外套膜腺の小型の樹枝状集合からなる幅広い不透明白色帯が走り、その外側に鮮やかな橙金色の縁取りが走る。触角は半透明の白色で、棍部の前後の正中線に白色の縦線が入る。二次鰓は半透明の白色で、軸の部分が白色。各鰓は長く先細りで、断面はやや丸く、薄板は側縁にのみ限定される。二次鰓は肛門の周囲に後方が開いた弧状に並び、両端が内側に巻いて螺旋状になる。原記載個体は固定後 22〜53 mm のパラタイプ群、後年の観察では生体時 70 mm を超える個体が普通で、120 mm の観察記録もある大型種。分布
模式産地はオーストラリア・北クイーンズランドの Escape Reef 南部(15°53′S, 145°49′E、外礁斜面の水深 12 m、1982 年 12 月採集)。原記載(Rudman, 1984)では北クイーンズランド(Townsville 沖 Broadhurst Reef、Lizard 島、Slasher's Reef、Capricorn Group の Wistari Reef・Erskine Islet・Heron 島)と NSW から記録される。後年の観察記録ではインドネシア、パプアニューギニア、フィリピン、日本まで広がる。種小名の由来
Rudman(1984)の原記載によると、種小名 egretta は本種の体色(白色と黄色)が、グレートバリアリーフ Capricorn Group の Heron 島に多く生息する太平洋シラサギ Egretta sacra の白色型に類似することに由来する。属名 Ardeadoris(新属)もラテン語 ardea(サギ)と Doris の合成で、模式産地である Heron 島にちなむ。補足
本種は新属 Ardeadoris のタイプ種として記載された。配色がきわめて類似する Glossodoris pallida(Rüppell & Leuckart, 1828)、Chromodoris aureomarginata Cheeseman, 1881、Noumea nivalis Baba, 1937 とは内部解剖学で大きく異なる。和名「メレンゲウミウシ」は、純白で柔らかい外套膜の表情をメレンゲ菓子になぞらえた命名。References
- メレンゲウミウシ, 益田一. (1999). 海洋生物ガイドブック. 第2刷. 東海大学出版会.
- エグレッタ, 小野篤司. (1999). ウミウシガイドブック. TBSブリタニカ.
- メレンゲウミウシ, 小野篤司. (2000). ウミウシガイドブック. 第2版. TBSブリタニカ.
- メレンゲウミウシ, 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- Ardeadoris egretta, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
季節性
撮影地
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