チシオクモガタウミウシ Platydoris inframaculata (Abraham, 1877)
チシオクモガタウミウシとは
体長 6〜18 cm の大型のドーリス類で、 背面は白・桃・褐色のまだら模様で砂底に紛れるが、 ひっくり返すと腹面が鮮やかな白地に赤い飛沫模様と橙〜黄色の縁取りを見せる派手な配色を持つ。特徴
体長は 63〜180 mm に達する大型種。 背面 (ノタム) は白・桃色・褐色の入り混じったまだら模様で、 砂地での camouflage となる。 腹面 (ハイポノタム) は鮮やかな白色を基調に、 大小の赤色の飛沫状の斑点が散在し、 外套膜の縁辺近くには小さな赤色の斑点列が並び、 その上に橙色〜黄色の帯が走る — この腹面の色彩が本種の最大の特徴。 個体差があり、 腹面の白地が灰白色に近く、 大きな暗褐色の斑が輪状に並ぶ変異もある。分布
模式産地はアンボン島 (インドネシア)。 原記載 (1877) はアンボンの単一標本に基づく。 その後、 インド・西太平洋域に広く分布することが知られ、 フィリピン、 スリランカ、 タンザニア、 ニューカレドニア、 紅海から記録されている。 砂底・サンゴ礫域に生息。種小名の由来
ラテン語 infra (= 下方の) + maculata (= 斑紋のある) に由来し、 腹面に明瞭な斑紋を持つ点に因む。補足
背面の color は同属のクモガタウミウシ Platydoris ellioti と非常に似て混同されやすいが、 ひっくり返した腹面の色彩 (白地に赤の飛沫 + 橙・黄帯) が決定的な識別点になる。 一部の変異個体では腹面の赤色斑が乏しく褐色斑のみとなり、 さらに紛らわしい。 原記載 (Abraham 1877) は脱色した保存標本に基づいて行われたため、 生体色の解釈には長く議論があったが、 現在は腹面パターンが本種を定義する形質として広く受け入れられている。References
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Platydoris inframaculata の解説・写真が掲載されています。
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