プラシダ・ブルッカエ Placida brookae McCarthy, Krug & Á. Valdés, 2017
特徴
体長は最大6mmほどの小型種。地色は黒で、頭部には左右一対の黄橙色斑があり、その内側に黒い眼点が見える。頭部の黄橙色斑から背面にかけて両側面に黄橙色の縦線が伸びる (この点で P. cremoniana と共通し、P. barackobamai・P. kevinleei と区別される)。背面には円筒状で先端の尖った背側突起が密に並び、近位半分が黄橙色、遠位半分が黒色。触角は黒く、後縁に白いストライプが基部から半分の高さまでだけ通る (本種を見分ける重要な特徴で、基部から先端まで通る他種と区別される)。口触手は完全に黒く、足の前角は黄色、足の後端は尖って背面が黒い。分布
模式産地はアメリカ・カリフォルニア州カタリナ島(Holotype: LACM 3469、2015年11月5日採集)。東部太平洋固有で、カリフォルニア州アナカパ島から南下しメキシコ・バハカリフォルニアスル州、さらにエクアドル・ガラパゴス諸島にまで分布する。カリフォルニア沿岸では2000年代以降の温暖化に伴って熱帯域から温帯域へ分布拡大した可能性が指摘されている。種小名の由来
種小名 brookae は、本種をカタリナ島で初めて採集し、熱帯から温帯東太平洋への分布拡大の可能性に注意を促した水中写真家 Brook Peterson への献名。補足
従来1種とされていた Placida cremoniana (Trinchese, 1892) が4種からなる隠蔽種複合体だと判明した際 (McCarthy, Krug & Valdés, 2017) に新種として記載された3種のうちの1つ。本種は東部太平洋の唯一のメンバーで、姉妹種は西〜中部太平洋の P. kevinleei。カタリナ島の個体群は同定が難しい糸状緑藻に付随していたが、近縁種が Derbesia 属に依存することから、本種も同様の食性をもつ可能性が高い。References