ヨツスジミノウミウシ Facelina quadrilineata (Baba, 1930)

ヨツスジミノウミウシ Facelina quadrilineata

Location
日本>静岡>大瀬崎>湾内
Date
2015/08/17
Size
15mm
Depth
6.0m
Water temperature
27.1℃

特徴

ミノウミウシ亜目の小型種で、体長は通常 10〜20mm、最大で 23mm に達する。
体地色は半透明の黄白色で、内臓のオレンジ色が皮膚から透けて見える。
本種を特徴づけるのは頭部と体側に走る合計 4 本のチョコレート色の縦線で、これが「ヨツスジ(四条)」「quadrilineata(4 つの線)」の和名・学名の由来となっている。頭部では口触手の基部から触角の基部にかけて 2 対の縦線が走り、体側では左右にそれぞれ 2 本のチョコレート色線が前後に伸びる。
触角は完全に伸びた状態では平滑だが、収縮するとわずかに皺状の輪が現れることがある。口触手は触角と同程度の長さで非常に細い。
背側突起は紡錘形で、内部の中腸腺がチョコレート色〜黒色の顆粒で満たされて見え、先端は橙黄色または黄色を呈する。背側突起は脱落しやすく、最大で 1 列あたり 8 個ほどが並ぶ。

分布

模式産地は千葉県館山湾の高ノ島。日本各地の沿岸に広く分布し、太平洋側では陸奥湾・女川湾・館山湾・相模湾・志摩・大阪湾、日本海側では佐渡島・富山湾・舳倉島・能登半島西岸・敦賀湾から記録されている。
潮間帯の礫の下から比較的普通に見つかる種である。

種小名の由来

ラテン語の quadri-(4 つの)と lineata(線が入った)からなり、「4 本の線をもつ」の意。原記載 (Baba, 1930) で示された頭部 2 対と体側 2 対の計 4 本のチョコレート色縦線にちなむ。原記載で「ヨツスヂミノウミウシ」として新称された。

補足

原記載では Hervia quadrilineata Baba, 1930 として館山湾高ノ島の 2 個体に基づき記載された。その後、馬場は本種を Cuthona (Hervia) quadrilineata(Baba, 1935; 1937)を経て新属 Facelinella Baba, 1949 のタイプ種として再配置し、Baba 1965 で Facelinella quadrilineata として詳細な解剖学的再記載を行った。現在は Facelinellaシノニムとして扱われ、本種は ヨツスジミノウミウシ属に置かれている。
Hirano & Ito 1998 は、従来「ヨツスジミノウミウシ」として一括されていた個体群の中に陰茎の構造が異なる隠蔽種が含まれることを示し、射精管が陰茎乳頭を貫通する側を新種 Facelina bilineata(フタスジミノウミウシ)として分離した。本種 F. quadrilineata の陰茎には射精管が貫通せず、基部で開口する点で区別される。
References
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観察地: ×

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学術データベース

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