クロシタナシウミウシ Dendrodoris arborescens (Collingwood, 1881)
特徴
体地色は黒色で、背面は外套膜の細かな突起で覆われる。外套膜の最外周は薄い肉色〜橙色で縁取られ、暗い体色とのコントラストが目立つ。触角は黒色で先端のみ肉色〜白色に染まり、二次鰓も同様に黒色で先端が肉色を帯びる。二次鰓は 5 枚前後の大きく分岐したふさ状で、樹枝状に発達するのが本種の外見的特徴である。体長は最大で 80 mm 程度に達する。クロシタナシウミウシ属は咽頭で海綿の組織を吸引摂食する。分布
模式産地は中国南岸。中国南岸、香港、台湾、日本 (本州〜南西諸島)、フィリピン、オーストラリア (クイーンズランド〜西オーストラリア) など東アジアからインド・西太平洋熱帯域にかけて分布し、潮間帯下〜水深 10 m ほどの浅海域で岩礁・転石下から得られる。種小名の由来
種小名 arborescens はラテン語で「樹木状の・樹枝状に分岐する」を意味し、よく発達して樹枝状に分岐する二次鰓の形態にちなむ。補足
外見が酷似する Dendrodoris nigra としばしば混同され、過去には Dendrodoris fumata の色彩変異とみなされた時期もあったが、Wells & Bryce 2006 が幼生形態と外部形態の組み合わせから独立種であることを示した。D. nigra は二次鰓が小型で多数、密に円形に並ぶのに対し、本種は D. fumata 型の大きく分岐した数枚の鰓をもつ点で外見的に区別される。References
- くろしたなしうみうし(新稱), 内田清之助ほか. (1927). 日本動物圖鑑. 北隆館.
- クロシタナシウミウシ, Baba K. (1949). Opisthobranchia of Sagami Bay collected by His Majesty the Emperor of Japan (相模湾産後鰓類図譜). Iwanami Shoten, Tokyo. 4+2+194+7 pp., pls. 1-50.
- Dendrodoris (Dendrodoris) nigra (Stimpson) Kuroshitanashiumiushi, Baba, K. 1957. A revised list of the species of Opisthobranchia from the northern part of Japan, with some additional descriptions. J. Fac. Sci., Hokkaido Univ.,ser. 6, Zool. 13(1-4):8-14.
- 高岡生物研究会. (2002). 日本海のウミウシ. 第2版.
- Dendrodoris arborescens (compared), Millen S.V. & Bertsch H. (2005). Two New Species of Porostome Nudibranchs (Family Dendrodorididae) from the Coasts of California (USA) and Baja California (Mexico). Proceedings of the California Academy of Sciences, Series 4. 56(18): 189-199.
季節性
撮影地
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クロシタナシウミウシの写真
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