クラテナ・ペレグリーナ Cratena peregrina (Gmelin, 1791)
特徴
体長は最大 50 mm に達する大型のミノウミウシ類。体地色は半透明の白色で、頭部両側、触角の前下方から口触手の基部側に対をなす橙赤色の斑紋がある。触角は平滑で、先端側 (おおむね先半分) が橙赤色に染まる。背側突起は半透明で、内部の消化腺は赤褐色〜紫赤色、または橙色を呈し、突起の先端は白色。背側突起は頭側に弧状の第 1 群、その後方に列状の数群が並ぶ。分布
地中海、および熱帯東大西洋 (ポルトガル、スペイン南部、セネガル、カナリー諸島)。マデイラ諸島、アゾレス諸島でも記録される。インド亜大陸沿岸 (グジャラート州、マハーラーシュトラ州) で従来「C. peregrina」として報告されてきた個体は、Bharate et al. 2020 によって別種 (Cratena poshitraensis および Cratena pawarshindeorum) と判定されており、本種はインド洋には分布しない。種小名の由来
種小名 peregrina はラテン語 peregrinus (外国の、異邦の、よその土地から来た) の女性形。Gmelin 1791 の原記載に明示的な命名理由は記されていない。補足
原記載では Doris 属に置かれたが、現行の分類では Cratena 属に組み替えられている (学名の括弧書き author 表記はこの属移動を示す)。Hervia costai Haefelfinger, 1961、Cuthona peregrina、Rizzolia peregrina は本種のシノニム。
食性は Pennaria disticha をはじめとするヒドロ虫類で、エダウミヒドラ属 Eudendrium のヒドロ虫もよく利用する。Bharate et al. 2020 は分子系統 (COI・16S) と種境界解析 (ABGD)、さらに体色パターンと内部形態の比較から、インド産の 2 morphotype が本種でも C. minor でもなく未記載の独立系統であることを示し、Cratena poshitraensis sp. nov. (グジャラート州ポシトラ) および Cratena pawarshindeorum sp. nov. (マハーラーシュトラ州ウラン) として記載した。これに伴い本種の確定分布は地中海と熱帯東大西洋に限定された。
References
季節性
撮影地
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