シンバミノウミウシ Cratena simba Edmunds, 1970

シンバミノウミウシ Cratena simba

Location
日本>東京>八丈島>乙千代ヶ浜
Date
2018/10/10
Size
15mm
Depth
5.0m
Water temperature
26.0℃

特徴

体長は原記載で 7〜8 mm の小型のミノウミウシ類。体地色は半透明灰色で、背面に橙色の波状の横線が数本走り、背側突起群の間で側方に融合してループ状を形成する。触角の前後にあるループ同士は互いに繋がらない。触角と口触手はいずれも平滑で、遠位半分が白色を呈し、触角の中ほどには薄い橙色の帯がある。背側突起は半透明で、内部の消化腺は黄褐色〜赤褐色を呈し、突起内には縦に白線が走る。突起先端の刺胞嚢は白色。

分布

模式産地はタンザニア・ダルエスサラーム湾 (Oysterbay と Ladder Cove)。原記載は同湾内のリュウキュウスガモ (Cymodocea) 根部に着生するヒドロ虫上から得られた 2 個体に基づく。その後、東アフリカ (タンザニア、マダガスカル、南アフリカ)、紅海、インド亜大陸、フィリピン、パプアニューギニア、日本に至る西インド太平洋に広く記録されている。

種小名の由来

種小名 simba の由来は Edmunds 1970 の原記載に明示されていない。

補足

ヒドロ虫類を捕食し、原記載では原始ヒドロ虫類 (gymnoblast、おそらく Tubularia 属) を食する個体が観察された。

同属の地中海種 Cratena peregrina やブラジル産 Cratena minor も体色は半透明白〜灰色に橙色の斑紋を持つが、本種は背面のオレンジ斑が独特の波状ループを描く点で区別される。Bharate et al. 2020 は、従来「C. peregrina 様」とされてきた西インド産の 2 タイプを分子系統 (COI・16S) と形態の比較から別系統と判定し、Cratena poshitraensis および Cratena pawarshindeorum として新たに記載しているが、これらの新種は本種とは色彩パターンが大きく異なる。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Cratena simba の解説・写真が掲載されています。

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