ヒメニュウトウタテジマウミウシ Armina comta (Bergh, 1880)
特徴
体長 30 mm 前後の中型のタテジマウミウシ類。生時の地色は黒く、背面には淡黄色の縦線が約 30 本走り、太線と細線が交互に並ぶ。背面周縁部、足の縁、口幕 (触角鞘) の縁は黄白色で縁取られる。口幕間の襟状部 (カルンクル) には小乳頭の列があり、各側に大きさの揃わない 4 個の乳頭 (時に分岐) と、触角鞘間後方にさらに 3 個の強い乳頭が並ぶ。この乳頭列が本種の識別形質となる。触角は黒条があり先端が淡黄白色。鰓は背面のほぼ全長にわたって走り、片側に約 50 葉が並ぶ。分布
模式産地は日本・長崎 (M. japonicum)。原記載は 1876 年に Roretz 博士が長崎沖で採集した 1 個体に基づく。後の調査でインド-西太平洋の熱帯〜亜熱帯域に広く分布することが確認され、日本・中国・フィリピン・インドネシアなどから記録されている。100 mm に達する観察例もある。種小名の由来
種小名 comta はラテン語 comptus「飾られた、整った、優雅な」の女性形で、「優雅に装飾された」を意味する。黒地に黄縞が整然と走る背面の模様にちなむ命名と考えられる。補足
原記載では Pleurophyllidia comta Bgh. n. sp. として記載された。Pleurophyllidia Meckel は現在 Armina Rafinesque, 1814 のシノニムとして扱われ、本種も Armina 属に移されている (author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。北方産の Armina loveni に近縁だが、口幕周辺の乳頭配列や歯舌の形態などで区別される。References