フタイロミノウミウシ Tenellia futairo (Baba, 1963)
特徴
体長 5〜20 mm の小型種で、成体は 20 mm 以上に達することもある。体地色は淡いオレンジ黄色で、口触手と触角の上半部はとくに濃く、先端近くではほとんどオレンジ赤に見える。口触手の後縁には常に一本の縦走する不透明白色の帯が走る。背側突起の表面はなめらかで、各突起の外側面には先端から不透明白色の細点が縦に集まって走る。突起の内部を貫く肝盲管は濃緑色の血管のように透けて見える。触角は単純で枝分かれしない。前足隅はわずかに突出して角張る。分布
模式産地は瀬戸内海・向島周辺。原記載時は陸奥湾、相模湾、鳥羽近海・菅島、大阪湾、瀬戸内海、佐伯湾、天草、富山湾から記録されていた。日本列島の太平洋側・日本海側ともに広く分布し、北は陸奥湾 (北緯 41 度) から南は土佐湾以南 (北緯 32 度 50 分) まで記録がある。種小名の由来
種小名 futairo は日本語の「二色」(ふたいろ) に由来する。馬場菊太郎は 1933 年の天草産個体を当初 Cratena bicolor Bergh, 1904 と同定し、和名「フタイロミノウミウシ」を与えていたが、再検討の結果別種と判断し 1963 年に新種として独立させた。新種記載にあたり、すでに使われていた和名「フタイロ」をラテン化せずそのまま種小名に転用するという、命名学的にも珍しい採り方をしている。補足
大阪湾では 1951〜1952 年の春に大量の卵塊とともに出現した記録があり、その後この海域からはほぼ姿を消したものの、近年は瀬戸内海でホンダワラ類に群れて見られる。自然下での餌は確定していない。References
- フタイロミノウミウシ(新稱), Baba K. (1949). Opisthobranchia of Sagami Bay collected by His Majesty the Emperor of Japan (相模湾産後鰓類図譜). Iwanami Shoten, Tokyo. 4+2+194+7 pp., pls. 1-50.
- Cratena bicolor (Bergh) Futairo-minoumiushi, Baba, K. 1957. A revised list of the species of Opisthobranchia from the northern part of Japan, with some additional descriptions. J. Fac. Sci., Hokkaido Univ.,ser. 6, Zool. 13(1-4):8-14.
- Futairo-minoumiushi, Baba, K. 1963. The anatomy of Cuthona futairo n.sp. (=C. bicolor of Baba, 1933) (Nudibranchia - Eolidoidea). Publications of the Seto Marine Biological Laboratory 11(1):109-117, pls. 5-6.
- 高岡生物研究会. (2002). 日本海のウミウシ. 第2版.
- ミノウミウシ亜目の1種 2, 中野理枝. (2004). 本州のウミウシ. ラトルズ.
季節性
撮影地
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