ダンボウミコチョウ Siphopteron dumbo Ong & Gosliner, 2017
特徴
体長 3 mm の小型のキマダラウミコチョウ類。生体は側足・頭楯・足が淡い黄色を呈し、頭楯と側足には淡い青色の縁取り線が走る。さらに、淡い青色の不規則な網目状の波線が側足と頭楯に分布し、青色の色素は体側面・頭楯の中央・足の背後正中線にも見られる。頭楯は三角形で、後方でサイフォンに向かって狭くなる。サイフォン後縁には側方縁よりもはるかに高く達する明瞭な白色の隆起があり、白色の頂点に伸びる。頭部後端と側方縁には 2 本の黒色線が走り、背側ではこれらの黒色線がサイフォンの隆起と合流して頂点まで続く。サイフォンの背側縁にもさらに黒色線がある。鞭状突起は内臓塊の正中線右側に位置し、細長く鋭く尖り、基部に散在する青色の色素があり、外側 2/3 は黒色の色素で塗りつぶされる。鰓は極めて小さく、2 枚の単純な葉のみからなる。
分布
模式産地はフィリピン・ミンドロ島・Puerto Galera・La Laguna (水深 20 m)。原記載時はフィリピンと、おそらく日本から記録されていた。種小名の由来
種小名 dumbo は、本種が水中を泳ぐ姿がディズニー映画のキャラクター「ダンボ」(空飛ぶ象) を連想させることに由来する。補足
従来「キイロウミコチョウ」(Siphopteron flavum) として日本のガイドブックで紹介されていた個体は本種にあたる。両者はサイフォンと鞭状突起の色素配置で外見的に区別される。References
- キイロウミコチョウ, 小野篤司. (1999). ウミウシガイドブック. TBSブリタニカ.
- キイロウミコチョウ, 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- Siphopteron dumbo sp. nov., Ong E., Hallas J.M. & Gosliner T.M. (2017). Like a bat out of heaven: the phylogeny and diversity of the bat-winged slugs (Heterobranchia: Gastropteridae). Zoological Journal of the Linnean Society. 180(4): 755-789. https://doi.org/10.1093/zoolinnean/zlw018
- ダンボウミコチョウ(新称), 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Siphopteron dumbo の解説・写真が掲載されています。
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ダンボウミコチョウの写真
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