オレンジウミコチョウ Siphopteron brunneomarginatum (Carlson & Hoff, 1974)
特徴
体長 3〜5 mm ほどの小型種。体地色は淡い緑黄色で、左右の側足縁から足にかけて、内臓嚢を横切るように、そして発達していれば後端の鞭状突起や水管の先端にまで、暗いチョコレート褐色の縁取りが走る。頭楯は短い三角形で、その後背端に内転した水管をもつ。水管の中央には稜があり、その先端は周囲よりやや高く突出する。内臓嚢は細長く後端は丸い。右側面には細長い円錐状の鞭状突起をもつ個体が多いが、欠く個体もある。鰓は小さく、3〜4 枚の単純なひだからなる。
分布
模式産地はグアム。原記載時はグアム、エニウェトク環礁、パプアニューギニア、フィリピン、台湾、日本、マーシャル諸島、南アフリカ、タンザニアから記録されていた。浅いサンゴ礁の礫の裏に見られ、遊泳行動は確認されていない。種小名の由来
ラテン語 brunneus (褐色の) と marginatus (縁取りのある) を組み合わせたもので、側足縁を縁取る暗褐色のラインに由来する。補足
近縁の Siphopteron citrinum・Siphopteron pohnpei と比べ、側足縁にはっきりした暗褐色の縁取りをもつ点で外見的に容易に区別できる。和名「オレンジウミコチョウ」は福田 1994 で「新称」として提唱されたものだが、原図は鮮やかなオレンジ色で描かれており、本種 (淡黄緑色) とは別種を指している可能性が指摘されている。References
- Gastropteron brunneomarginatum n.sp., Carlson C.H. & Hoff P.J. (1974). The Gastropteridae of Guam, with descriptions of four new species (Opisthobranchia: Cephalaspidea). Publications of the Seto Marine Biological Laboratory. 21(5/6): 345-363.
- Siphopteron brunneomarginatum (Carlson & Hoff, 1974) comb. nov., Gosliner T.M. (1989). Revision of the Gastropteridae (Opisthobranchia: Cephalaspidea) with descriptions of a new genus and six new species. The Veliger 32(4): 333-381.
- オレンジウミコチョウ (新称: orange海胡蝶), Fukuda H., 1994. Marine Gastropoda (Mollusca) of the Ogasawara Islands (Bonin) Islands. Part 2 : Neogastropoda, Heterobranchia and fossil species, with faunal accounts. Ogasawara Research 20, 1-126
- オレンジウミコチョウ, 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- オレンジウミコチョウ, 中野理枝. (2004). 本州のウミウシ. ラトルズ.
- オレンジウミコチョウ, 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
- Siphopteron brunneomarginatum, Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Siphopteron brunneomarginatum の解説・写真が掲載されています。
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