ルージュミノウミウシ Launsina tanyae Ekimova, Carmona, Mikhlina, Grishina, Stanovova, Schepetov, Hoover, de Souza-Canal, Kuznetsov & Valdés, 2026

ルージュミノウミウシ Launsina tanyae

Location
日本>沖縄>慶良間諸島(阿嘉島・慶留間島・外地島・屋嘉比島・久場島)>紺瀬
Date
2015/12/26
Size
15mm
Depth
13.0m
Water temperature
24.0℃

ルージュミノウミウシとは

ベトナム・日本ほかで観察される小型のミノウミウシ。ピンクパープルの体に三色グラデーションの触角と鮮やかな橙色の背側突起をもつ。

特徴

体長は最大 10 mm 程度の小型種。体は細長く、後方に向かって尾が次第に細くなる。外套膜縁は完全に退縮して認められない。前足角は細長く、触手状に伸びて湾曲する。口触手は細長く、触角は密に並んだ 13 枚の薄板をもつ穂状で、口触手の半分ほどの長さしかない。
背側突起は低い隆起の上に明瞭な束として配列する。前方の第 1 束は最大 7 個、第 2 束は 4 個、それ以降の束はそれぞれ 2 個ずつ含む。背側突起は紡錘形で短く、消化腺が背側突起内をほぼ満たす。
体地色はピンクパープルが均一に広がり、不透明な白色の細点はごく疎らで外套膜縁と後方背面のみに散在する。口触手は基部側がマゼンタ色で、先端は不透明な白色を呈する。触角は基部が白色、中央が黄色、先端がオレンジ色という三段グラデーションを示す。背側突起本体は鮮やかなオレンジ色で、頂端の刺胞嚢は赤色。

分布

模式産地は南シナ海・ベトナム、ニャチャン沖の Nok 島(水深 20 m)。Ekimova ほか 2026 の原記載では模式産地以外からの記録はないが、日本(小笠原諸島)からも同様の体色を示す個体が知られると言及されている。日本で従来「ルージュミノウミウシ」として記録されてきた個体は本種に同定される。

種小名の由来

種小名 tanyae は、本種を採集したロシアの海洋生物学者 Tatiana Antokhina の愛称 Tanya(タニャ)に献名されたもの。Antokhina は熱帯から寒帯にわたる多数の海洋探査でウミウシ類を採集し、その生態と分布の研究に貢献してきた。

補足

属名 Launsina はフィリピン神話の女神 Laun-Sina に由来する。Laun-Sina は東の空・星・海を司り、乾季に陽光と涼風をもたらし、強い台風から人々を守るとされる女神。
近縁の Launsina rubropurpurata(模式産地はパプアニューギニア・マダン、Ekimova ほか 2026 はニューカレドニア産個体が原記載と一致することを確認)とは、地色がより明るいピンクパープルである点、白色不透明斑が外套膜縁と後方背面のみに疎らに分布する点、触角が白・黄・橙の三色である点で外見的に区別される。両種は COI 遺伝子で 12.1 % の塩基置換差をもつ。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Launsina tanyae の解説・写真が掲載されています。

Amazon で本書を見る PR (Amazon アソシエイト)
読み込み中...

撮影地を読み込み中...


タグ:
観察地: ×

該当 0


学術データベース

世界のウミウシの観察データは国際的な海洋生物多様性データベースで公開されています。

詳しくはこちら