ウミトンボ Notobryon bijecurum Baba, 1937
特徴
体長は約 30 mm のユメウミウシ類。頭部は半円形のヴェールに拡張し、波打つ縁をもつ。触角鞘は後縁に 1 本の縦走隆起を有し、遠位は波打つ縁で終わる。背側に 2 対の葉状突起があり、後方の対が前方の対に比して明らかに小さい。葉状突起の縁は明瞭な全縁。尾隆起は中等大で全縁。鰓は大きく樹枝状で、各葉状突起に 4 個ずつ着き、背中の最後端にもさらに 1 個が並ぶ。体側に小型円錐結節が 1 列に並ぶ。腹足は細いが拡張可能で、前端は急に丸く後方は尾につながる。生体は全体が黄色で、背と体側に明瞭な不透明白色の斑紋をもつ。分布
模式産地は相模湾甘ダイバ (アマダイバ; 水深約 91 m)。種小名の由来
種小名 bijecurum はラテン語の bi- (2) + jecur (肝臓) の中性形容詞で「2 葉の肝臓を有する」を意味し、本種の肝臓が前後 2 葉に分かれる構造に由来する。補足
本種は Notobryon 属の type 種 Notobryon wardi から、(1) 葉状突起 2 対の大きさが不揃いで後方の対が小さい点、(2) 肝臓が 2 葉である点で区別される種として記載された。References
- Notobryon bijecurum, Baba, K. 1937i. Two new species of the nudibranchiate genus Notobryon from Sagami Bay, Japan. Venus 7(4):165-170.
- ウミトンボ, Baba K. (1949). Opisthobranchia of Sagami Bay collected by His Majesty the Emperor of Japan (相模湾産後鰓類図譜). Iwanami Shoten, Tokyo. 4+2+194+7 pp., pls. 1-50.
- ウミトンボ, 中野理枝. (2004). 本州のウミウシ. ラトルズ.
- ウミトンボ, 小野篤司 & 加藤昌一. (2009). ウミウシ. 誠文堂新光社.
- ウミトンボ, 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Notobryon bijecurum の解説・写真が掲載されています。
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