アンヘルミノウミウシ Unidentia angelvaldesi Millen & Hermosillo, 2012

Unidentia angelvaldesi

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特徴

体長 8 mm 前後の細長く小型のミノウミウシ類 (生体は 20 mm まで成長する)。触角口触手は同じ長さで、いずれも平滑背側突起は単列で背面に上向きに配列し、心臓前に 4〜6 列、後に 5〜8 列。各列に最大 12 本、長さ 7 mm までの細長い円柱状の突起を持つ。足の前縁は 2 葉に分かれて長さ 1.5 mm 前後の前足触角を作る。肛門は突起列の間 (interhepatic) に位置する acleioproctic 配置。

体色は変異に富み、2 つの色彩型が知られる。
- 暗色型: 半透明の体に薄く赤味がかった地色を持ち、内部の卵巣精巣が橙〜赤色に透ける。背面正中と背側突起列の左右下方を 3 本の紫色線が縦走し、突起列後方で合流して尾部の太い帯となる。背側突起列の間や頭部側面に不透明白色の班点が散らばる。
- 淡色型: 体地色は白色〜淡紫白色で、紫色線の配置は暗色型と同じ。口触手の先端 1/3、触角に紫色のリング、背側突起の根元側に紫色の細帯と先端側の白色斑を持つ。

いずれの型も背側突起の刺胞嚢は淡白色〜半透明。

分布

模式産地はメキシコ・ハリスコ州 Bahía de Banderas (Los Arcos, El Bajo del Cristo)。原記載 2012 ではメキシコのナヤリ州 Isla Isabel からパナマの Isla de Coiba までの東太平洋熱帯域に加え、駿河湾、沖縄、フィリピン、バリ・コモド (インドネシア) を含むインド-西太平洋にまたがる広域分布として記載された。その後 Korshunova et al. 2017 によりインド-西太平洋の個体群が Unidentia nihonrossija として分離された結果、Unidentia angelvaldesi の分布は東太平洋熱帯域 (メキシコ-パナマ) に限定されている。

種小名の由来

種小名 angelvaldesi は世界の後鰓類の生物学・生態学・分類学に多大な貢献をしたスペイン出身の貝類学者 Ángel Valdés 博士への献名 (西語名のため「アンヘルバルデシ」)。

補足

外見的に類似する Flabellina rubrolineata (O'Donoghue, 1929) と長らく混同されてきたが、本種は触角が平滑である (F. rubrolineata は乳頭状) ことに加え、肛門位置や歯舌形態などの解剖学的特徴で明瞭に区別できる。属位は形態の組合せから問題視され、Millen & Hermosillo 2012 は本種のために単型属 Unidentia Millen & Hermosillo, 2012 を新設した。

食性Corydendrium 属のヒドロ虫で、東太平洋では橙色の Corydendrium parasiticum に依存して生活する。卵塊は橙色のやや扁平な渦巻きを 5〜6 巻、ヒドロ虫の枝に沿って産み付ける。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Unidentia angelvaldesi の解説・写真が掲載されています。

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