ケーラーミノウミウシ Phyllodesmium koehleri Burghardt, Schrödl & Wägele, 2008

ケーラーミノウミウシ Phyllodesmium koehleri

Location
フィリピン>ロンブロン島
Date
2018/02/20
Size
30mm
Depth
16.0m
Water temperature
28.0℃

特徴

体長は背側突起を除いて最大約 56 mm の中〜大型種。口触手触角・足を含む体は半透明の白色で、右消化腺枝は暗褐色に透ける。背側突起は体側 5 列の足座に分かれ、各列に最大 6 本ずつが並ぶ。突起は spoon-like (匙状) で扁平、凸凹の表裏をもち、上半が広がる。

属内で本種だけがもつ特徴として、突起表面に サボテン状の大型の棘状突起 が密生し、寄主のウミヅタ科 (Nephtheidae) ソフトコーラルの分岐したポリプや棘を巧みに擬態する。多くの Phyllodesmium 種が突起を末端で巻き込むのに対し、本種の突起は巻き込まない。

背側突起内の消化腺上皮には共生褐虫藻 を保持し、光合成由来のエネルギーを併用する 光合成共生型の生活様式をもつ。

分布

模式産地はフィリピン・北セブのカランガマン (Calangaman) 島 (水深約 12 m、2005 年 3 月)。原記載時はフィリピン (カランガマン島・カビラオ島)、オーストラリア (クイーンズランド州 Mooloolaba)、日本 (沖縄)、インドネシア (スラウェシ)、パプアニューギニア (ニューブリテン) から記録されていた。

種小名の由来

種小名はドイツの熱心なダイバー・水中写真家 Erwin Köhler 氏への献名で、原記載に向けてさまざまな Phyllodesmium 種の採集・提供を支援したことにちなむ。

補足

ウミヅタ科 (Nephtheidae) のソフトコーラル (Lemnalia 属・Paralemnalia 属など) を捕食する。Phyllodesmium 属の他種の大部分がクセニア科やクダサンゴを餌とするのに対し、本種だけがウミヅタ科を専食する点で生態的に特異。突起のサボテン状の形状はこの食性に対応した擬態と考えられる。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Phyllodesmium koehleri の解説・写真が掲載されています。

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