イシタニミノウミウシ Phyllodesmium karenae Moore & Gosliner, 2009

イシタニミノウミウシ Phyllodesmium karenae

Location
日本>沖縄>沖縄本島(本部・北部エリア)>崎本部ゴリラチョップ
Date
2023/09/05
Size
10mm
Depth
10.0m
Water temperature
27.0℃

イシタニミノウミウシとは

半透明で青みを帯びた細長い体をもつミノウミウシの仲間。フィリピン・ルソン島南部の砂礫底で見つかった、背側突起の中に共生藻をもたない珍しい種で、体は小さい。

特徴

生きた個体は細長く、足の縁が外套の外側までわずかにはみ出す。体はほぼ透明で青みを帯び、口触手や足まで含めて内臓や生殖腺が透けて見え、背面に不透明な斑紋はない。背側突起は細長く滑らかな円筒形で、体の中ほどに大きなものが並び、先端は巻き込んで物にからみつくように見える。突起内部の消化腺はまっすぐで枝分かれせず、一様な紫褐色をしている。各突起の先端は黄白色で、刺胞嚢や刺胞をもたない。触角は滑らかで細長く、口触手のおよそ3分の2の長さ。触角は紫褐色から黄白色の尖った先端へと移り変わり、口触手は透明〜わずかに青みがかった基部から黄白色の先端へと続く。(記載に用いられた標本は固定後で約8mm)

分布

模式産地はフィリピン・ルソン島南部、バタンガス州マビニのマトトンギル礁(水深0〜17m)。原記載時にはルソン島南部に加え、インドネシアからも記録されていた(Gosliner ほか 2008 で Phyllodesmium sp. 7 として図示された個体)。

種小名の由来

種小名 karenae は、筆頭著者エリザベス・ムーアが母親に献名したもので、海洋生物の研究に対する長年の支援と熱意への感謝を込めている。karenae はその母親の名 Karen をラテン語風の属格にした形。

補足

クセニアウミウシ属(Phyllodesmium)の多くは八放サンゴ(ソフトコーラル)を食べ、背側突起の中に共生藻(褐虫藻)を蓄えて光合成の産物を利用する「太陽光を使うウミウシ」として知られる。しかし本種は共生藻をもたず、餌となる生物もまだ観察されていない。系統解析でも属の基部側に位置づけられている。よく似た透明な Phyllodesmium opalescens とは、背面に不透明な白色斑をもたない点で区別される。生息環境は砂と岩の混じる底。
References

本書に掲載されています

今川郁. (2026). 沖縄のウミウシ: DNA解析による最新の分類図鑑1089種. 誠文堂新光社. 表紙

今川郁. (2026). 沖縄のウミウシ: DNA解析による最新の分類図鑑1089種. 誠文堂新光社.

誠文堂新光社

本書には Phyllodesmium karenae の解説・写真が掲載されています。

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観察地: ×

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標本・DNA情報

観察 データベース COI 16S H3
#53975 BOLD Systems SSWBP029-25

学術データベース

世界のウミウシの観察データは国際的な海洋生物多様性データベースで公開されています。

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