カラスキセワタ Philinopsis speciosa Pease, 1860

カラスキセワタ Philinopsis speciosa

Location
日本>沖縄>石垣島・八重山周辺>竹富南
Date
2016/05/13
Size
14mm
Depth
13.0m
Water temperature
27.9℃

特徴

体長 75 mm 程度に達する中型のキセワタガイ類。体は長卵形で平滑頭楯は体長のおよそ半分で、長三角形を呈し、前縁は切断状、両側角は鈍円。外套葉は凸形で前方ではやや狭く、後方では切断状を呈し、頭楯の下から始まり足の後端をわずかに越えて伸びる。切断後端は左右に張り出し、隆起した波状の鶏冠で縁取られる。眼および背側の触角は外見上認められない。口触手は小型で拡張性をもち、切断状を呈し、口の両側に位置する。口は吻状に伸ばすことができる。足は広く卵形で平滑、両側へ反り上がる。鰓羽は単羽状で 1 枚、体後端右側から起こり、足と外套切断後端の間を左方へ巻く。排出口は後方にある。殻は切断後端内部に隠され、白色で薄く脆く半透明、亜三角形を呈し、頂端は曲がった胼胝状。生時の体地色は背面が明褐色 (ファウン) で、白色の斑点と細かな飾り点をもつ。縁にはより暗色 (黒色味〜黄色味) の変異があり、側面はより淡色を呈する。足は紫味を帯びた明褐色で、白色に細かく霜降り、両側縁は背面と同じ色調が混ざる。Pease の原記載は体長約 3 インチ (約 7.5 cm) の個体に基づく。本種は飼育下でガラス瓶に置かれると、ほぼ無傷の小型の Bulla 殻を約 12 個吐き出したと記録されている。

分布

インド-西太平洋〜中部太平洋。模式産地はサンドウィッチ諸島 (現在のハワイ諸島) のサンゴ礁海藻群落で、Pease が観察したハワイ産個体に基づく。後にハワイ諸島、日本列島南部、台湾、フィリピン、インドネシア、グアム、ニューカレドニア、紅海などから記録されている。

種小名の由来

ラテン語の形容詞 speciosus (女性形 speciosa)「美しい」「際立った姿の」「華麗な」の意で、本種の華やかな体色斑紋に由来する命名。Pease の原記載に etymology の明示はない。

補足

原記載において Pease は Philinopsis 属を新たに立て、本種を含む 2 種を記載した (もう 1 種は Philinopsis nigra Pease, 1860)。Philinopsis 属は現在も有効で、本種は同属の模式種に近い扱いを受けている。和名「カラスキセワタ」は黒褐色の体地色と袈裟をかけたような白斑のコントラストに由来する。本種は頭楯類の他の小型種を捕食することが知られ、Pease の記述する「Bulla 殻を吐き出す」行動はその捕食習性の証拠とされる。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Philinopsis speciosa の解説・写真が掲載されています。

Amazon で本書を見る PR (Amazon アソシエイト)
読み込み中...

撮影地を読み込み中...


タグ:
観察地: ×

該当 0


学術データベース

世界のウミウシの観察データは国際的な海洋生物多様性データベースで公開されています。

詳しくはこちら