クリイロキセワタ Philinopsis ctenophoraphaga Gosliner, 2011
- Location
- インドネシア>バリ島>アメッド>Black Sandy Beach
- Date
- 2022/08/14
- Size
- 20mm
- Depth
- 20.0m
- Water temperature
- 28.0℃
特徴
体長18〜40mm、体幅6〜15mmの頭楯目カノコキセワタガイ科のウミウシ。生体の地色は淡ピンク〜栗色 (マルーンレッド) で、頭の前部、側足 (パラポディウム) 縁、頭楯後縁の細長い三角形の付属物には濃い赤色がのる。背面・側面全体には不透明な白色斑が散らばり、各斑は淡色の薄いハロー (光輪) で取り囲まれる。頭楯は前縁がやや三裂し、後縁は細長い三角形の付属物で終わる。これは活発に這うときには直立して保たれる。後部楯は前方が丸く、後縁に短い二裂した1対の突起をもち、外套膜の縁を取り巻くスカートを形成する。側足は比較的短く、頭楯と後部楯の大部分が露出する。鰓は単純な皺襞構造で1次襞が10本、体の右後部に位置する。陰茎は単純で装甲をもたず、装甲の痕跡もない。本種の口球はキセワタ亜科の他種に見られる厚い筋肉組織を欠き、薄く弱い筋肉のみをもつ。これは底生クシクラゲ類 (扁形クシクラゲ Coeloplana meteoris 等) を捕食する適応と考えられる。
分布
インド太平洋熱帯域に分布。フィリピン、インドネシア、紅海から記録される。模式産地はフィリピン・バタンガス州ルソン島アニラオ (水深3m)。種小名の由来
ギリシャ語 Ctenophora 「櫛をもつもの」 (有櫛動物門、クシクラゲ類) と phago 「食べる」の合成。本種が底生クシクラゲ類を食べることが観察されたことに由来する。補足
ピンク〜栗色の地色と不透明な白色斑をもつ Philinopsis は本種のみ。頭楯後縁の細長く尖った三角形の突起と、底生クシクラゲ類への特殊化した食性、それに伴う薄い筋肉性の口球も他種とは異なる。References