カノコキセワタ Philinopsis gigliolii (Tapparone Canefri, 1874)

カノコキセワタ Philinopsis gigliolii

Location
日本>静岡>須崎>田之浦
Date
2014/03/24
Size
30mm
Depth
4.0m
Water temperature
14.1℃

特徴

体地色は黒褐色で、全体に微細な黄褐色から黄白色の斑点を密に散布する。頭楯側足の縁、頭楯正中線に沿って黄褐色から黄白色の細い線が走り、その内側に橙黄色の途切れがちな細線が入ることが多い。頭楯後端は伸長して背側へ折れ曲がり、左右二葉となる。体は半円筒形で側足が発達し、体の全長にわたって背側を覆う。殻は薄板状で体内に隠される。砂底を潜行しながらCylichna属などの小型の巻貝を捕食する。体長は30〜35mm程度。

分布

日本(瀬戸内海・本州太平洋岸)、日本海沿岸、黄海、ロシア沿海地方、オーストラリア南東岸、ニュージーランド北部。模式産地は日本沿岸で、横浜近海と推定されている。北半球と南半球の温帯域にまたがる隔離分布(反熱帯分布)を示す。

種小名の由来

模式標本を採集したイタリア軍艦マジェンタ号(Regia fregata Magenta、1865〜1868年世界一周航海)に博物学者として乗船したエンリコ・ヒラー・ジリオーリ(Enrico Hillyer Giglioli、1845〜1909年)への献名。

和名の由来

外形・類縁・習性がキセワタに近似することから「キセワタ」を基名とし、背面の斑紋を鹿の子模様に見立てて「カノコキセワタ」と名付けられた。

補足

原記載Aglaja giglioliiとして発表され、その後Philinopsis属に組み替えられた。オーストラリア産のPhilinopsis taronga (Allan, 1933) およびニュージーランド産のChelidonura aureopunctata Rudman, 1968 はジュニアシノニムとされる(Chaban et al., 2024)。同論文では分子・形態の双方から本種が日本海・黄海・南半球個体群を含む有効種であることが再確認された。
References
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