ハワイイロウミウシ Hypselodoris insulana Gosliner & R. F. Johnson, 1999
特徴
体長は約 50 mm に達する中型のアオウミウシ属。生体の地色はサーモンピンク。背面には約 20 本の不透明な白色の縦線が外套膜の長さ全体にわたって走り、外側の数本は頭部前端まで達しないものもある。外套膜と体側、そして後方の腹足にかけて紫色の縁下帯が走り、外套膜縁には半透明の縁帯がある。半透明帯を通して不透明白色の外套腺が透けて見える。鰓葉は基部が不透明白色、遠位 3 分の 2 に赤橙色の鰓軸線が走る。触角は基部に不規則な赤橙色帯、中央付近に白色域と赤橙色斑、亜先端に再び赤橙色帯、先端は白色。触角の直後には半透明の明色域があり、眼が透けて見える。頭部の形状が明瞭にヘラ状であるのが本種の重要な識別形質。分布
模式産地はミッドウェー環礁 Sand Island の Inner Harbour 北東側 (水深 1〜10 m)。原記載時はハワイ諸島の風下側 (ミッドウェー環礁とクレ環礁) のみから知られていた。種小名の由来
種小名 insulana はラテン語で「島民の」を意味し、ハワイ諸島の風下側環礁という限定的分布にちなむ。補足
姉妹種 Hypselodoris andersoni と色彩は酷似するが、本種は H. andersoni に通常見られる黒色斑点を欠き、頭部が明瞭にヘラ状である点 (H. andersoni はほぼ直線的) で外見的に区別される。また H. andersoni は体長 15 mm を超えず 7 mm で性成熟するのに対し、本種は 50 mm に達する。Hypselodoris violabranchia ともピンクの体地色・不透明白色の縦線・紫色の縁帯を共有するが、H. violabranchia では紫色縁帯が前後でしか見られず連続しない点と、触角の赤色帯が本種は 2 本走るのに対し H. violabranchia では基部に 1 本のみである点で区別される。References
- Hypselodoris insulana sp. nov., Gosliner T.M. & Johnson R.F. (1999). Phylogeny of Hypselodoris (Nudibranchia: Chromodorididae) with a review of the monophyletic clade of Indo-Pacific species, including descriptions of twelve new species. Zoological Journal of the Linnean Society. 125: 1-114. https://doi.org/10.1111/j.1096-3642.1999.tb00585.x
- Hypselodoris insulana, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
- ハワイイロウミウシ(新称), スーザン・ミドルトン他. (2015). 海の美しい無脊椎動物. 創元社.
本書に掲載されています
スーザン・ミドルトン他. (2015). 海の美しい無脊椎動物. 創元社.
創元社
本書には Hypselodoris insulana の解説・写真が掲載されています。
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