エゾカスリウミウシ Diaulula odonoghuei (Steinberg, 1963)

エゾカスリウミウシ Diaulula odonoghuei

Location
日本>北海道>積丹
Date
2025/04/13
Size
50mm
Depth
10.0m
Water temperature
7.0℃

特徴

体地色は灰白色から淡い黄褐色で、背面には大小不揃いのチョコレート色の斑紋が散在する。斑紋はリング状にも塗り潰し状にもなり、外套縁にまで及ぶのが本種の重要な識別点となる。背面は細かな絨毛状突起で覆われ、触感はベルベット状。触角二次鰓は体地色と同じか淡い黄色で、鰓は6枚前後の三〜四回羽状。本種は Diaulula 属としては大型で、体長 100mm に達する。

分布

北太平洋。模式産地は米国ワシントン州ギグハーバー(ネオタイプ指定地)。分布域は朝鮮半島・日本の東北地方北部(女川など)から北海道、アリューシャン列島・アラスカを経て、北米西岸ではカリフォルニア州ボデガ湾までの寒流域にまたがる。日本ではエゾの名のとおり北海道沿岸に多い。

種小名の由来

種小名 odonoghuei はカナダで活躍した英国出身の動物学者チャールズ・ヘンリー・オドノヒューに由来する。オドノヒューは1920年代にバンクーバー島周辺の裸鰓類を精力的に記載しており、本種にあたる個体群を Doris echinata O'Donoghue, 1922 として発表したが、この名はホモニム(同名異種)に該当して使用できなかった。後年スタインバーグが代替名としてオドノヒューに献じる形で Doris odonoghuei Steinberg, 1963 を提唱した。

補足

長らく北太平洋に広く分布する Diaulula sandiegensis (J. G. Cooper, 1863) と同一視され、日本産個体も同名で扱われてきた。しかし Hallas, Simison & Gosliner 2017 は分子系統と外部形態の比較から両者を別種と認め、外套縁にまで斑紋が及ぶ「斑紋型」を本種、外套縁に斑紋が及ばない「リング型」を D. sandiegensis と整理した。これに伴い日本近海の従来「エゾカスリウミウシ」と呼ばれてきた個体群は Diaulula odonoghuei に同定される。海綿食。馬場 1957 は D. sandiegensis として北日本(厚岸・室蘭・尻岸内・浅虫・女川)からの記録を挙げ、和名「エゾカスリウミウシ」を提唱した。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Diaulula odonoghuei の解説・写真が掲載されています。

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