ヒメタマブドウギヌ Volvatella ayakii Hamatani, 1972

ヒメタマブドウギヌ Volvatella ayakii

Location
日本>東京>八丈島>底土(三又)
Date
2016/07/12
Size
8mm
Depth
4.0m
Water temperature
21.0℃

特徴

殻長 6 mm 前後の小型の殻つき嚢舌類。生時は乳白色で透明感があり、殻は薄く脆い卵形で長さ 3.8〜6.2 mm、幅 2.0〜3.4 mm。軟体部は殻内に完全に引き込めるが、伸ばした際は最大 7 mm に達する。頭楯の背面には触角状の一対の隆起があり、その後方の組織内に純黒色の眼が透けて見える。体表の頭楯前縁、突起、足の隅、鰓帯後方などには白色不透明斑が密に散布し、刺激を受けると粘液を分泌する。殻の体層は中央でやや膨らみ、前端は丸く広がって短い注ぎ口状の張り出しを作る。アルコール固定標本では黄橙色を帯びる。

分布

模式産地は和歌山県紀伊半島・潮岬の低潮帯。原記載時は本州中部の潮岬から記録されていた。本属が本州沿岸から確認されたのは本種が最初で、それまで Volvatella vigourouxi が奄美諸島から九州南部、沖縄からのみ知られていた。

種小名の由来

種小名 ayakii は、本標本の採集に協力した中島綾樹氏への追悼献名である。

補足

潮岬の岩礁低潮帯に生育する緑藻イワヅタ属 Caulerpa brachypus の群落上から 31 個体が採集された。同所からは Cylindrobulla japonica をはじめ計 14 種の後鰓類が記録されている。殻形は Volvatella cumingii に最も近いが体層の膨らみが弱く、フィジー産の Volvatella ficula とも酷似するものの、外套前縁の橙色帯を欠く点で区別される。
References
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