ハナサキウミウシ Triopha modesta Bergh, 1880

ハナサキウミウシ Triopha modesta

Location
日本>北海道>羅臼>ロウソク岩
Date
2015/05/30
Size
12mm
Depth
10.0m
Water temperature
5.0℃

特徴

体地色は半透明の白色で、まれに淡い褐色を帯びる個体も見られる。背面には橙色から橙赤色のイボ状突起が散在し、特に触角の間から後方にかけて正中線上に並ぶ傾向がある。外套膜の縁辺には、体地色と同じ半透明白の枝分かれした突起が並び、その先端は鮮やかな橙色に染まる。同様の枝分かれした突起は頭部前縁にも並ぶ。触角は基部が半透明の白色、褶葉が橙色で、二次鰓は半透明の白色で先端が橙色になる。北日本産の標本では体長 45〜50mm が一般的で、最大 70mm 程度に達する。

分布

北太平洋に広く分布し、模式産地はアラスカのシュマギン諸島。日本では北海道沿岸から東北地方北部、ロシア極東沿岸、朝鮮半島東岸を経て、アラスカ、ブリティッシュコロンビア、ワシントン、オレゴン、カリフォルニアまで、寒流域を中心に記録されている。日本では 馬場 1957 が尻岸内・広田で初めて報告し、後に北海道積丹半島など各地で観察されている。

種小名の由来

ラテン語の modestus(控えめな、目立たない)に由来する。Bergh 1880 が同じ論文で記載した近縁種に比べて装飾の少ない印象から付けられたと考えられる。

補足

本種は長らく東部太平洋産の Triopha catalinae(Cooper, 1863)と同種とみなされ、北太平洋に広く分布する単一種として扱われてきた。Martynov ほか 2015 が極東ロシア産個体について Triopha modesta として復活させ、Korshunova ほか 2020 の形態・分子データを組み合わせた解析で東西両系統が別種であることが裏付けられた。馬場 1957 で「Triopha carpenteri(Stearns)」として記録されたものはこの整理に従えば本種にあたり、和名「ハナサキウミウシ」もこのとき与えられた。コケムシを捕食することが属内の他種から知られている。
References

本書に掲載されています

Behrens D.W., Hermosillo A., Fletcher K. & Jensen G.C. (2022). Nudibranchs & Sea Slugs of the Eastern Pacific. Molamarine. 表紙

Behrens D.W., Hermosillo A., Fletcher K. & Jensen G.C. (2022). Nudibranchs & Sea Slugs of the Eastern Pacific. Molamarine.

Molamarine

本書には Triopha modesta の解説・写真が掲載されています。

Amazon で本書を見る PR (Amazon アソシエイト)
読み込み中...

撮影地を読み込み中...


観察地: ×

該当 0


学術データベース

世界のウミウシの観察データは国際的な海洋生物多様性データベースで公開されています。

詳しくはこちら