ニュウモデルマ属の一種 Pneumoderma atlanticum pacificum Dall, 1871

ニュウモデルマ属の一種 Pneumoderma atlanticum pacificum

Location
インドネシア>ラジャアンパット>Blue Magic
Date
2016/12/15
Size
6mm
Depth
1.0m
Water temperature
29.3℃

ニュウモデルマ属の一種とは

北太平洋の混合水域に分布する小型の裸殻翼足類 (Gymnosomata)。体長 1 cm 以下のゼラチン質で半透明の体に紫色斑をもち、約 50 個の吸盤を備えた三角形の吸盤腕で有殻翼足類を捕食する。

特徴

体長は 1 cm 以下のハダカカメガイの仲間 (裸殻翼足類)。体はゼラチン質で半透明、紫色の斑点をもつ。前方は丸みがあり、翼足の前縁は丸く後縁は凹む。足の中葉は心臓形で紫色を呈する。側鰓は襞状、後鰓は 4 葉に分かれる。吸盤腕は三角形で約 50 個の吸盤を備え、これを使って獲物の有殻翼足類を捕らえる。腹足は翼状の付属肢 (翼足) に変形しており、これを羽ばたかせて遊泳する。殻は幼生期に脱落し、成体は無殻。

分布

原記載 (Dall, 1871) は北太平洋・北米西岸の探検で得られた標本にもとづいて記述された。奥谷編 (2000)『日本近海産貝類図鑑』では、北太平洋の混合水域に分布すると示されている。基亜種 Pneumoderma atlanticum は大西洋に分布する。

種小名の由来

亜種名 pacificum はラテン語で「太平洋の」を意味する形容詞中性形で、大西洋を分布域とする基亜種 P. atlanticum との地理的対応にちなむ。属名 Pneumoderma はギリシャ語 pneuma (空気、呼吸) + derma (皮膚) で、体表の呼吸器官にちなむ。

補足

裸殻翼足目 (Gymnosomata) に属し、いわゆる「クリオネ」の仲間にあたるが、Clione 属とは別属。本亜種は「ニュウモデルマ属の一種」の暫定名で運用している。奥谷編 (2000)『日本近海産貝類図鑑』では和名「イクオハダカカメガイ (改称)」を本亜種に当てていたが、奥谷自身が 2017 年 (うみうし通信 №94) の裸殻翼足類解説で 11 種の日本産 Gymnosomata から本亜種を外し、和名「イクオハダカカメガイ」を Paedoclione doliiformis (pid 2747) に当て直している。したがって 2000 改称案は 2017 で取り下げられている。
References
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