オパールミノウミウシ Phyllodesmium opalescens Rudman, 1991

オパールミノウミウシ Phyllodesmium opalescens

Location
インドネシア>バリ島>トランバン>バトゥニティ
Date
2020/02/25
Size
40mm
Depth
10.0m
Water temperature
28.0℃

特徴

属内では小型の種で、原記載個体は固定後 13 mm、生体時 5-17 mm。体は比較的幅広いが細長く、後部腹足が長く先細りの「尾」をなす。前部腹足は幅広で前角が角張る。触角は比較的短く平滑で先端付近にわずかな皺をもつ。長い先細りの口触手は頭部の縁から少し内側から発する。背側突起は円筒形で、各側に弧と列の規則的なパターンで並ぶ。体地色は半透明でほぼ透明、腹足の前縁に沿って不規則な白色帯がある。背部正中線上に不透明な白色 (場合により青みを帯びる) の卵形〜菱形の斑紋が一連に並ぶ — これが種小名の由来の「真珠光沢」マーキング。最初の斑は頭部の口触手と触角の間、続いて突起の各クラスター間に配される。口触手は先端 3 分の 1 が不透明な白色〜クリーム色、基部 3 分の 2 が半透明で鮮やかな青みを帯びる光沢をもつ。触角は透明で先端に乳黄色の帽、その下に青色の亜頂部帯がある。突起も同様の配色。青色の輝きは構造色 (上皮粒子による光屈折) で、生きた個体特有の色彩。

分布

模式産地は香港・Mirs Bay の Gau Tau 北側 (水深 5-12 m、1983 年 4 月採集、B. W. Darvell 採集)。原記載 (Rudman, 1991) では香港諸地点 (Kong Chau、Gau Tau、Bluff Head、Round Island、South Ninepin、Tolo Channel、Tap Mun、Long Harbour) のみから知られる (すべて B. W. Darvell 採集)。後年の観察ではフィリピン、韓国、日本まで広がる。

種小名の由来

種小名 opalescens はラテン語で「真珠光沢の」「乳光を放つ」の意。背部正中線上に並ぶ真珠光沢を放つ白色斑紋に由来する。

補足

共生褐虫藻をもたない非 solar-powered 種。組織切片で消化腺細胞中に褐虫藻は確認されず、Xenia 属を餌としていない可能性が示唆される。消化腺は突起内のみに限定 (Phyllodesmium horridum と同様) で、未分岐の細い管をなす。摂餌対象は不明 (B. Darvell 採集者が長期にわたり食性確認を試みたが未解明)。背部正中線の白色破線は Phyllodesmium hyalinumPhyllodesmium crypticum とも共有されるが、本種は配色と歯舌形態 (短く尖った主咬頭と細長い細歯尖を多数もつ歯舌) で識別できる。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Phyllodesmium opalescens の解説・写真が掲載されています。

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