トゲトゲウミウシ Janolus tricellariodes Pola & Gosliner, 2019

トゲトゲウミウシ Janolus tricellariodes

Location
日本>沖縄>沖縄本島(北谷・南部エリア)>砂辺浄水場前
Date
2014/05/07
Size
30mm
Depth
5.0m
Water temperature
23.0℃

特徴

体長は最大 25 mm に達する小型のミノウミウシ型の種で、生時は前方が最も幅広く、足の後端は背側の縁を大きく超えて細長く伸びる。触角は細長く、約 15 段の横ヒダをもつ。触角と触角のあいだには発達してよく屈曲する「カランクル」と呼ばれる肉質突起があり、不透明白色を呈する。眼は触角直後の体壁直下に 2 つの黒点として透けて見える。心嚢部は背の中央付近で大きく膨らむ。頭部両側からは短い指状の口触角が伸びる。
背側突起は細長く、中央付近で球状に大きく膨らむ。表面はおおむね滑らかだが小さな瘤状突起をいくつか伴う。背側突起は左右合わせて 13〜16 列、1 列につき 4〜5 本ずつ密に配列する。消化腺は背側突起の基部から大半の突起内に入り込み、内部で分枝する。最前列の突起には消化腺の延長を欠く。
体地色は半透明白色。カランクルは不透明白色。不透明白色の色素は頭部・背の中央付近にも現れ、背側突起の多くの瘤状突起にも目立つ。背側突起の基部は半透明白色で、中央付近の球状部は紫色色素を伴う紫の瘤と目立つ不透明白色の瘤で覆われる。その上には細い赤褐色の輪、続いて黄色の輪が現れ、頂端は半透明黄色の鋭く尖った先端で終わる。背側突起内の消化腺はチョコレート色〜赤褐色で、多数の小さな黒点を散布する。触角は赤褐色で先端が白く、カランクルの前後には目立つ不透明白色斑が並ぶ。足の後端は紫色で外縁を半透明白色で縁取られる。

分布

模式産地はフィリピン・バタンガス州 Caban 島の Kirby's Rock。原記載時はフィリピン、沖縄、インドネシアから水深 20〜40 m の強い潮流のあるリーフの急斜面や岩柱で記録されていた。樹枝状コケムシ Tricellaria sp. を餌とする。

種小名の由来

種小名 tricellariodes は、本種が餌として利用するコケムシの属 Tricellaria に由来する。

補足

Janolus savinkini と最もよく似るが、J. savinkini では球状の背側突起に不透明白色の色素を欠く点で外見的に区別される。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Janolus tricellariodes の解説・写真が掲載されています。

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