スポンジウミウシ Atagema spongiosa (Kelaart, 1858)

スポンジウミウシ Atagema spongiosa

Location
日本>東京>八丈島>底土(三又)
Date
2026/05/01
Size
30mm
Depth
12.0m
Water temperature
23.0℃

特徴

半ゼラチン質で、カイメンウミウシ属の中では最大級になる。体長は 200 mm に達する。体地色は灰褐色や黄褐色、暗褐色が混じった複雑な色調で、背面全体に丸い瘤状の突起が密に並ぶ。背面の正中線上に並ぶ突起は他より大きく、わずかに淡白色を帯びる。突起の表面はさらに細かい絨毛状の突起で覆われ、突起と突起の間は凹んで暗色に沈み込み、全体として海綿の表面のような外観をなす。触角は大きく、先端は切形で薄板が並び、鞘は大きく漏斗状で表面に粒状の質感をもつ。鰓は 5 枚で灰色を呈し、垂れ下がるように開いて、枝が二度分かれる羽状である。

分布

インド洋から西太平洋にかけて広く分布する。原記載時はスリランカ(旧セイロン)東岸トリンコマリー湾の内湾深所から記録された。その後、マダガスカル、クリスマス島、オーストラリア、パプアニューギニア、フィリピン、シンガポール、韓国、日本からも知られるようになっている。

種小名の由来

種小名 spongiosa はラテン語で「海綿状の」「カイメンに似た」を意味する形容詞である。原記載者の Kelaart は、外套の上面が「ある種のカイメンの表面に酷似する」と表現しており、外套の質感を強く意識した命名である。

補足

和名「スポンジウミウシ」は英名 sponge nudibranch にちなむ新称。Phlegmodoris mephitica Bergh, 1878 はシノニム扱い。半ゼラチン質で海綿に紛れる外観のため、海底観察では見落とされやすい。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Atagema spongiosa の解説・写真が掲載されています。

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