ヘキサブランクス・サンドイッチエンシス Hexabranchus sandwichensis (Gray, 1850)
- Location
- アメリカ>ハワイ>マウイ島>Wilson's Retreat
- Date
- 2018/08/16
- Size
- ??mm
- Depth
- ??m
- Water temperature
- ??℃
特徴
最大で 30 cm ほどになる大型のウミウシで、ミカドウミウシ属のなかでもよく育つ。体は強く扁平で、幅広い外套膜の縁を波打たせて泳ぐ。静止した成体では背面が広く不規則な粒状(こぶ状)になるのが目立つが、泳ぐとこの粒状感は目立たなくなる。成体は暗赤色〜赤褐色の地に、クリーム色や白色の斑が入る。外套膜の縁には赤い帯があり、背側で広く腹側で狭く、背側は境界がぼやけ、腹側では明瞭になる。触角の襟には輪郭のはっきりした白い帯が現れる。多数の羽状鰓が肛門を囲む。幼体は背面中央に紫色の斑をもち、成長にともなって斑が赤紫色になって数を増し、地色が鮮やかな黄色を経て赤みを帯びていく。分布
ハワイ諸島とジョンストン環礁に分布する。模式産地はハワイ諸島。やや波当たりの穏やかな環境に多く、主に夜間に活動する。種小名の由来
種小名 sandwichensis は、ハワイ諸島の旧称であるサンドイッチ諸島にちなみ、「サンドイッチ諸島産の」を意味する。識別ポイント
同じハワイに分布する Hexabranchus aureomarginatus(金色の縁のスパニッシュダンサー)と混同されやすい。見分けの要点は次の 3 点。①外套膜の縁の色 ― 本種は赤色、H. aureomarginatus は黄金色。②背面の質感 ― 本種は静止した成体で背面が広く粒状になるが、H. aureomarginatus は常になめらか。③触角の襟の白帯 ― 本種には輪郭の明瞭な白帯があるが、H. aureomarginatus でははっきりしない。加えて、本種は鰓をやや寝かせて保持し、卵塊は高く密に巻いて色も濃い傾向がある。補足
長らくスパニッシュダンサー Hexabranchus sanguineus のシノニムとされてきたが、現在はハワイ諸島に固有の別種(有効種)として認められている。かつて別種として記載された Hexabranchus pulchellus や Hexabranchus tinkeri は本種のシノニムである。References
- Hexabranchus tinkeri n.sp., Ostergaard J.M. (1955). Some opisthobranchiate Mollusca from Hawaii. Pacific Science, 9(2): 110-136.
- Hexabranchus sandwichensis (Gray, 1850), Tibiriçá Y., Pola M., Pittman C., Gosliner T.M., Malaquias M.A. & Cervera J.L. (2023). A Spanish dancer? No! A troupe of dancers: a review of the family Hexabranchidae Bergh, 1891 (Gastropoda, Heterobranchia, Nudibranchia). Organisms Diversity & Evolution. 23(4): 697-742. https://doi.org/10.1007/s13127-023-00611-0