ハンコッキア・バーニ Hancockia burni T. E. Thompson, 1972

ハンコッキア・バーニ Hancockia burni

Location
オーストラリア>ニューサウスウェールズ>Chowder Bay
Date
2021/10/28
Size
5mm
Depth
3.0m
Water temperature
20.0℃

特徴

体長は伸長時 10 mm に達する小型のハンコッキア属種。地色は半透明の乳白色で、細かな網目状の褐色斑と不透明な白色点が散らばり大理石模様を呈する。白色点の一部は緑色の虹色光沢をもつ。口幕は二裂し、各葉に通常 4 個 (まれに 5 個) の指状突起をもち、これらが口の周囲を花弁状に取り囲む。腹足は扁平で、後端は鈍く丸まる。背面の前方寄りには心臓に対応する拍動性の膨らみがあり、そこから後方へ大型の背側血管を内包する低い隆条が走る。触角鞘はトランペット状で、縁に 9〜10 個の指状突起と、内側に特に大きな距状結節をもつ。触角は先端が白色で、10〜11 条の縦走稜を備え、必要に応じて鞘内に引き込まれる。背側突起は左右各 5 列 (まれに 6 列) で並び、前方のものほど大型で 10〜11 本の指状分岐をもち、その姿は人の手を中ほどに握りかけた形に喩えられる。後方の背側突起は小型化し 2〜3 分岐にとどまる。各背側突起の内側基部には白色の距状結節をもつ。触角鞘と背側突起の表面には刺胞嚢が密に分布し、刺激を受けると 12〜15 μm の刺胞が多数放出される。

分布

模式産地はオーストラリア・クイーンズランド州ノース・ストラドブローク島ポイントルックアウトで、潮間帯下の礫の下に着いたヒドロ虫上から採集された。原記載はハンコッキア科として西部太平洋から得られた最初の記録としている。

種小名の由来

種小名 burni は、オーストラリア・ビクトリア州ジロング在住の後鰓類研究者 Robert Burn への献名で、オーストラリア後鰓類分類学への長年の貢献に対し原記載者の T. E. Thompson が献じたもの。

補足

ハンコッキア属はスギノハウミウシ上科のなかで唯一刺胞嚢をもつ属として知られ、触角鞘と背側突起の表面に多数の刺胞嚢をもつ点が大きな特徴。基準標本 (体長 10 mm) は大英自然史博物館に保管される (登録番号 19702W)。卵塊は白色で、片縁を基物に着けた幅の狭い帯状に産み付けられ、20 ℃ で約 7 日で孵化する。
References
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