イワヅタブドウガイ Ascobulla japonica (Hamatani, 1969)

イワヅタブドウガイ Ascobulla japonica

Location
日本>沖縄>沖縄本島(北谷・南部エリア)>牧港
Date
2025/07/12
Size
8mm
Depth
5.0m
Water temperature
29.0℃

特徴

殻長 4 mm 前後の小型の有殻嚢舌類。貝殻はやや細長い円筒形 (cylindrical-bulloid)、薄質で半透明、表面は滑らか。地色は半透明白色〜淡黄白色で、殻表面に赤紫色の不定形な斑紋が散在するのが特徴。軟体部の地色も白色で、背面と外套縁付近に白色の細点が散らばる。側足ひだはなく (genus Ascobulla の特徴)、頭楯は左右対称な広い盾状で前縁が浅く 2 葉に分かれる。

Cylindrobulla 属とは消化管枝の終端構造などで識別される (見かけはほとんど同じ)。

分布

模式産地は本州中部 (Hamatani, 1969 の Seto Marine Biological Laboratory 周辺、紀伊半島〜瀬戸内海)。これまで日本沿岸からのみ知られる。寄主の緑藻 Caulerpa 属 (イワヅタ類) の繁茂する岩礁上の浅所に出現する。

種小名の由来

種小名 japonica はラテン語で「日本の」の意。模式産地が日本であることに由来する。

補足

原記載は Hamatani 1969 により本州中部産の標本に基づき Cylindrobulla japonica として記載された。Cylindrobulla P. Fischer, 1857 と Ascobulla Marcus, 1972 は外見上ほぼ区別困難で、長く混同されてきた。Marcus 1972 が Ascobulla 属を新設して以降、本種は Ascobulla japonica として扱われている (現組合せの author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。Laetz et al. 2014 は両属の形態と分子データを総合的に検討し、識別キーを提示した。

摂食はイワヅタ類の細胞内容物を吸い取る型で、寄主は Caulerpa brachypusCaulerpa scalpelliformis 等が知られる。和名「イワヅタブドウガイ」は寄主のイワヅタ類と、属を含む小型有殻型嚢舌類の和名「ブドウガイ類」 (= 古い分類で頭楯類のうち卵球状の薄い殻を持つもの) を合わせたもの。
References
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観察地: ×

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