ブドウガイ Haloa japonica (Pilsbry, 1895)

ブドウガイ Haloa japonica

Location
日本>東京>八丈島>(旧)八重根港
Date
2015/06/20
Size
15mm
Depth
6.0m
Water temperature
18.0℃

ブドウガイとは

殻長 2 cm ほどの内在性貝殻を持つ小型の頭楯類。 淡褐色〜緑褐色の地色で、 潮間帯の砂泥底や藻場に普通に見られる。 養殖種苗の流通により欧州・北米に外来分布を拡大した日本原産種。

特徴

殻長は最大 20 mm に達する。 半透明の薄い貝殻をもち、 軟体部は殻の中に完全には収まらず、 外套膜の一部が殻を覆う。 地色は淡い褐色〜緑褐色。 頭楯の後縁中央に深く狭い切れ込みがあるのが、 近縁種との識別点となる。
潮間帯から浅海の砂泥底、 タイドプール、 海藻の繁茂する場所、 人工構造物の表面などに生息する。 卵塊内で胚発生がおこなわれ、 直接発生 (殻つきの稚貝として孵化) とプランクトン期 (最大 20 日浮遊するレシトトロフ幼生) の両方が同一卵塊から出現するという混合発生型を示す。

分布

本来の自然分布は日本と韓国 (日本列島の東北地方〜九州沿岸、 対馬海流系および黒潮系の沿岸域)。 模式産地は日本。 非在来分布として、 フランス・スペイン・イタリア (1993 年までに地中海沿岸で記録)、 米国西海岸 (ワシントン州、 カリフォルニア州サンフランシスコ湾・トマレス湾)、 カナダ (ブリティッシュ・コロンビア州バウンダリー湾) に拡散している。

種小名の由来

種小名 japonica はラテン語で「日本の」 を意味し、 模式産地である日本に因む。

補足

マガキ (Crassostrea gigas) やアサリ類 (Ruditapes philippinarum) の養殖種苗とともに国外へ運ばれたと考えられている。 集団遺伝解析により、 北米・欧州の非在来集団のハプロタイプが東北日本 (茨城県平磯、 宮城県万岡浦) のものと一致し、 種苗輸出の主要産地と分散経路の整合が示された。 サンフランシスコ湾ではヒトに皮膚遊泳痒症を引き起こす住血吸虫類の中間宿主であることが報告されている。 近年の分子系統解析では、 Haloa 属 (sensu stricto) の独立 lineage として配置が確認され、 LamprohaminoeaBakawanPapawera と区別される。
References
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