ヤマトウミウシ Homoiodoris japonica Bergh, 1882
特徴
体は楕円形でやや厚みがあり、体長は最大100mmに達する大型のドーリス類。体地色は黄褐色から土色まで変異に富み、背面には大きさのまちまちな球状突起が密に並ぶ。突起は基部がくびれた柄状で先端がふくらみ、その頂部が黒褐色から紫褐色に色づく個体が多い。触角は体地色と同じで、触角鞘の縁には左右に小突起をもつ。二次鰓は肛門を中心に5葉あり、これも体地色と同色である。分布
模式産地は日本。日本各地、朝鮮半島、香港から記録されており、東アジアの温帯〜亜熱帯沿岸に広く分布する。馬場 1957 は青森県浅虫および北海道尻岸内からの記録を報告しており、北日本沿岸にも産する。種小名の由来
種小名 japonica はラテン語で「日本の」を意味する地名形容詞で、模式産地が日本であることに由来する。属名 Homoiodoris はギリシャ語の ὁμοῖος「類似した」と Doris「ドーリス属」を合わせたもので、「ドーリスに似たもの」の意。Bergh は本種を記載した 1882 年の論文 (Verh. zool.-bot. Ges. Wien 31) で同時に新属を設立し、本種が単一の含種であったことから自動的に本属の模式種となっている。補足
生物學御研究所編『相模湾産後鰓類図譜』(1949) や 馬場 1957 でも同名が踏襲されている。Homoiodoris 属は Bergh による原記載がやや簡略で、模式材料も現存が確認されておらず、Wikispecies など複数のデータベースで nomen dubium 扱いとされる場合がある。一方で WoRMS では現在も accepted として扱われており、属の再記載と分子系統に基づく再評価が将来的な課題として残されている。References
- やまとうみうし(新稱), 内田清之助ほか. (1927). 日本動物圖鑑. 北隆館.
- ヤマトウミウシ, Baba K. (1949). Opisthobranchia of Sagami Bay collected by His Majesty the Emperor of Japan (相模湾産後鰓類図譜). Iwanami Shoten, Tokyo. 4+2+194+7 pp., pls. 1-50.
- Homoiodoris japonica Bergh Yamato-umiushi, Baba, K. 1957. A revised list of the species of Opisthobranchia from the northern part of Japan, with some additional descriptions. J. Fac. Sci., Hokkaido Univ.,ser. 6, Zool. 13(1-4):8-14.
- 高岡生物研究会. (2002). 日本海のウミウシ. 第2版.
季節性
撮影地
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