ニヨリセトイロウミウシ Goniobranchus decorus (Pease, 1860)
- Location
- 日本>沖縄>沖縄本島(恩納村・読谷村エリア)>真栄田岬
- Date
- 2015/06/04
- Size
- 10mm
- Depth
- 5.0m
- Water temperature
- 24.0℃
特徴
体長 30 mm 程度に達する中型のドーリス類。体は長卵形で平滑、軟質で背面は凸状に丸まる。外套膜は前方で丸く、後方は鋭く丸い。縁は薄く単純で、足の後端を覆わない。鰓は 7 葉で小さくほぼ直立し、羽状で後方ほど低くなり、肛門を取り囲み単一腔に収まる。触角は長卵形で板葉が傾斜し、柄部は板葉部と同じ長さで、単純な腔に収納できる。口触手は小さく円錐形。足は細く前方で丸まり、後方は鋭く尖った丸い先端を呈し、外套膜後端を大きく超えて突出する。生時の体地色は背面が淡麦藁色を基調とし、中央に白色の縦帯があり、後方では二叉して紫色の点列が並ぶ。外套膜縁は白色で縁取られて紫色の点が並び、その内側に光赤色の縁内帯、さらにその内側に黄色の帯が走り、その黄帯にも紫色点列が並ぶ。鰓と触角は淡色を呈する。腹側の外套膜は背面と同じ色調だがより淡い。Pease の原記載は体長約 1 インチ 2 ライン (約 30 mm) の個体に基づき、海藻上で見いだされた。Pease は本種を非常に華麗と評し、移動時の輪郭は Goniodoris 属に似ると述べた。分布
中部太平洋。模式産地はサンドウィッチ諸島 (現在のハワイ諸島) で、Pease がハワイ産個体に基づき記載した。後にハワイ諸島、ジョンストン環礁、マーシャル諸島、ミッドウェー諸島などから記録されている。種小名の由来
ラテン語の形容詞 decorus「美しい」「優雅な」「飾り立てられた」の意で、本種の華やかな縁飾り模様に由来する命名。Pease の原記載に etymology の明示はないが、Pease 自身が本種を非常に華麗と評していることと整合する。補足
原記載において Pease は Doris 属に置いた。後年の分類学的整理により Goniobranchus 属に移された (author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。和名「ニヨリセトイロウミウシ」は近縁の Goniobranchus setoensis セトイロウミウシに似ることに由来する。References
- Doris decora Pease n. sp., Pease W.H. (1860). Descriptions of new species of Mollusca from the Sandwich Islands. Part I. Proceedings of the Zoological Society of London. 28: 18-36.
- Glossodoris decora (Pease), Allan J.K. (1947). Nudibranchia from the Clarence River Heads, north coast, New South Wales. Records of the Australian Museum, 21(8): 433-463, pls. xli-xliii and map. https://doi.org/10.3853/j.0067-1975.21.1947.561
- Goniobranchus decorus, Johnson R.F. & Gosliner T.M. (2012). Traditional taxonomic groupings mask evolutionary history: a molecular phylogeny and new classification of the chromodorid nudibranchs. PLoS ONE 7(4): e33479.
- Goniobranchus decorus, Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2015). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific. New World Pubns Inc.
- ニヨリセトイロウミウシ(新称), 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Goniobranchus decorus の解説・写真が掲載されています。
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