エリシア・ディオメデア Elysia diomedea (Bergh, 1894)
特徴
体長は約50mmに達する。 地色は淡緑色で、 背面に細い白色の縦縞が走る。 側足の縁は密に波打ち、 橙色と黒で縁取られる。 側足を立てて開くと内側に小さな青色斑が散在し、 足底には消化腺の枝が伸びて緑色の縦帯を形成する。 触角には黄と黒の縦縞が入る。側足は前方で互いに連結せず離れたまま開く点が大きな特徴で、 大西洋カリブ海の Elysia crispata と区別する主要形質となる。 E. crispata では足底の緑色斑が円形に分散するのに対し、 本種では足底全体に緑色の縦帯として広がる。
分布
東部太平洋の沿岸域。 北はメキシコのカリフォルニア湾から、 中央アメリカ太平洋岸、 パナマ湾を経て、 南はエクアドル、 ガラパゴス諸島まで知られる。 原記載は米国アルバトロス号による 1891 年の東部太平洋調査航海で、 メキシコ太平洋岸からガラパゴスにかけて得られた標本に基づく。種小名の由来
ラテン語 diomedea は古代ギリシャ神話の英雄ディオメデスに由来する形容詞形。補足
餌である緑藻 (Bryopsis など) から取り込んだ葉緑体を体内に長期間保持し、 光合成産物を栄養源として利用する盗葉緑体現象で知られる。 日中は側足を広く展開して陽の当たる姿勢をとる行動が観察される。英名は 'Mexican dancer' / 'Lettuce sea slug' / 'Diomedes' sapsucker' などと呼ばれる。
References